NFLドラフト1日目、1巡指名が終了。
1巡20位のブロンコスはそのまま動かず
ユタ大学のOTギャレット・ボールズを指名するという結果になりました!
ブロンコスはレフトタックルに大きな穴が開いているので、アナリストの指名予想でも2番目くらいに名前が挙がっていた選手になりますね。
ブロンコスの指名順になった時には、まだ攻撃ラインはひとりも指名されておらず、誰でも選べる状況でしたが、ドラフト直前にボールズを狙っているという噂が流れていたとおり、本命候補を獲得できたのかなと思います。
ちなみに、RBクリスチャン・マカフリーは8位のパンサーズ、OTライアン・ラムチェックは32位のセインツが指名しています。
The @Broncos select @Utah_Football OT @gbolles74 with the 20th overall pick!#NFLDraft pic.twitter.com/d6vMJbgzCe
— NFL (@NFL) 2017年4月28日
OT ギャレット・ボールズ(Garett Bolles)
身長6-5、体重297、腕長34、1992年生まれ(24歳)、ユタ大学、ジュニア
元不良少年。母親が薬物中毒など家庭環境に問題があり、10代の頃は荒れていて、5つの学校を追い出された。フットボールとラクロスをしていたが、高校では学校をさぼり、薬物を使用し、学内の破壊行為で逮捕されている。
父親に家を追い出されてホームレスとなったが、ラクロスのコーチ夫妻に救われ、厳しいルールの下、その家で暮らした。高校卒業後は2年間働いて、しばらく教会のミッションに従事した。
2014年、フットボールを再開するため、地元の2年制大学に入学して活躍した。
2016年、5つ星の有望選手として全米の大学からリクルートされ、ユタ大学に編入。レフトタックルをプレイし、All-PAC 12に選出された。
そのストーリーは、マイケル・オアーの「しあわせの隠れ場所」と比較されている。
身体能力が高く、素早い足がある。横への動き、バランスに優れている。エッジラッシャーに上手く相対し、動きながらランブロックもできる。増量し強くなれる余地がある。既婚で子供がおり、苦労人で成熟している。コンバインのワークアウトで評価を上げた。
大学1部レベルでは1年しか先発経験がない。細い体格で足が短い。鍛えられていない。コアの強さがない。パワー不足により、スキームを選ぶかもしれない。ゾーンブロックには合う。今年で25歳になるが、将来性を期待するには歳をとり過ぎている。ワンダリック・テストの成績が9点と悪かった。反則が多かった。
某スカウト「私がこれまで見た中でもっともアスレチックな攻撃タックル。フィールドでミーン(卑劣)なのも良い。プロではもっと強くなれると思う。まだ未熟で発展途上。まだまだ成長できる」
似たタイプの選手:セドリック・オグブエヒ(CIN)
動画(LT 72番)
Garrett Bolles Vs Ucla(2016) - YouTube
#Broncos select Garett Bolles with the 20th pick#NFLdraft tracker: https://t.co/S4dnC7ekAd pic.twitter.com/OBBfX2ptew
— Denver Post Broncos (@PostBroncos) 2017年4月28日
レッドカーペットでは、赤ちゃんを抱えて目立っていましたねw
指名されるとテーブルに突っ伏したまま、しばらく動けずにいましたが、壇上でも子供と一緒に登場して、笑顔で答えていました。
「これは息子のキングストンです。4か月前に子供が生まれたのは人生で最高ので出来事でした。今日は2番目に素晴らしい日です。僕はコロラドで教会のミッションに従事していました。だからデンバー、家族と一緒に帰ります!」
「みんな僕には無理だと言ったけど、ここまで来ました。勉強が苦手だったり、非行に走っている子供たち、みんな不可能なことはないんだ」
「僕はフットボールが大好きだから、ブロンコスがまた優勝できるように全力を尽くすだけです」
「(赤ちゃんはお父さんがリッチになったことを知ってるのかな?という問いに)お金のことは気にしてないです。フットボールをプレイして、家族をずっと大事にするだけです」
エルウェイの記者会見(テキトー訳)
ボールズの過去や年齢に関して
エルウェイ「彼と話して納得していたので、年齢も過去も気にしてなかった。彼こそドラフトでベストのレフトタックルだと評価していて、我々のターゲットだった」
指名候補でもあったOTラムチェックとの比較
HCジョセフ「2人とも優れた選手で、僅差だった。ボールズはよりアスレチックな選手だと思う。ラムチェックはよりパワフルなランブロッカーであり、パスプロはその次に来ると思った」
エルウェイ「運動能力に関して、ボールズの方が伸びしろがあると評価していた。サイズと運動能力もだが、彼の激しさ、メンタリティこそ、我々が攻撃ラインにもとめているものだった。もし彼が期待どおり選手なら、レフトタックルの問題は解決すると思う」
たくさんのQBが指名されたりして、多くの候補が落ちてきたが?
エルウェイ「いろんな可能性を話し合ったが、ボールズこそが我々の求める選手だという結論だった。彼の能力と、我々のニーズを考えると、彼がもっともフィットするベストな候補だった。トレードダウンの連絡もあったが、彼を指名できなくなるリスクを考えてやめた」
指名評価
Mike Mayock(NFL.com)
彼は激しくプレイする。フットボールIQには向上の余地があると思う。反則が多く、アングルも悪い。しかし、レフトタックルをプレイできるだけの能力はある。
Jeff Legwold(ESPN) 追加
OLフォレスト・ランプやLBルーベン・フォスターの方が評価は高かっただろうが、ボールズは今年のドラフトでもっとも優れたレフトタックルのひとりだ。彼はアスレチックで良く動ける。その猛烈なプレイ・スタイルはコーチに好まれる。
時に感情的になって馬鹿な反則を犯し、チームに迷惑をかける。守備選手はわざと怒らせることで、ボールズが冷静でいられるか試してくるかもしれない。
Kevin Weidl / Steve Muench(ESPN) 追加
今年の攻撃ラインでもっともアスレチックな選手。長さ、素早い足、横の動きを備えており、成長すれば先発レフトタックルになれる。下半身の強さを向上する必要があるが、ランブロッカーとして相手を消し去る能力を備えている。
ブロンコスの攻撃は、3rdダウンの成功率がリーグ31位の34.2%、レッドゾーンのTD率が26位の46.8%だった。チームは先発レフトタックルが必要で、ボールズはそのニーズを埋める。この指名によって、メネリク・ワットソンとドナルド・スティーブンソンをライトタックルで競わせることができる。
Pro Football Focus 追加
ブロンコスにレフトタックルが必要なのは明らだったが、20位で好きな選手を獲り放題という大きなチャンスに恵まれた。ブロンコスのボードではボールズが1番目だったわけだが、PFFのボードでは全体で62番目の選手だった。彼は2016年最初の試合で6回のQBプレッシャーを許した。しかし、その後はトータルで14回(2サック、0ヒット、12ハリー)しか許していない。彼のランブロックは84.0ポイントで、これはFBSの全タックルで4位の点数だった。
ボールズは今年のドラフトにおいて、もっとも優れたランブロッカーのひとりだ。彼はリーチブロック(動く相手に張り付くブロック)と、スペースで優れている。彼の加入は、ブロンコスがゾーン・ブロックの要素を残すことを示している。ボールズは相手を仕留めるブロックに優れており、パスプロの技術は未熟で、時にブロックで身体が伸びすぎてバランスを失う。
B+ Chris Burke(SI.com)
もし1つ前で指名されたTEハワードが残っていたら、タフな選択になっただろう。しかし、この指名は最初から本命という感じだった。唯一の問題は、タックルのうち誰を指名するかだったろう。ボールズは新人にしては歳をとっているが、レフトタックルの即先発として扱われるはずだ。彼はその運動能力により、ブロンコスのシステムで一流のランブロッカーになれる可能性がある。
B+ Travis Wakeman(USA Today Broncos Wire)
25歳になる年齢、荒れていた過去、先発経験の無さなどが指摘されているが、彼には1巡で指名されるだけの理由もある。サイズと運動能力は、他の1巡指名候補より優れており、誰もが指摘する激しい卑劣さも長所だ。
彼にはコーチングと、ウエイトルームでの増量が必要になるだろう。時間をかけてシステムも学ばなければならない。しかし、彼にはそれをやるだけの能力がある。
1つ前の順位までTEハワードが残っていたが、ブロンコスは動かずに、本命であるボールズを指名した。彼がどんな役割をやるのかはまだ不明だが、開幕戦で先発できる能力はある。彼がこれまで乗り越えてきた困難を考えれば、きっと成功できるはずだ。
シーホークスがトレードアップしてボールズを指名するかと思ったがしなかった。彼は今年のドラフトでもっともアスレチックな攻撃タックルだ。彼にはフィールド外の問題が少しあるが、たいしたものではない。ブロンコスには、こうした(素行に不安のある)選手を指名して成功してきた実績があるので、大丈夫だろう。ブロンコスの攻撃ラインはリーグ最低クラスであり、ボールズの指名は、最大のニーズを埋めてくれる。この指名が成功するかは分からないが、いくらかブロックできるようになったことだけは間違いない。
B Pete Prisco / Ryan Wilson(CBS Sports)
彼は25歳と年齢が高いが、1日目からレフトタックルの先発として、チーム最大のニーズを埋めるだろう。
ブロンコスは、なんとしても攻撃ラインを補強する必要があった。そして、ボールズはその助けになるだろう。身体能力と伸びしろに関して言うなら、彼は(平凡と言われている)今年のタックルの中では、もっとも才能がある。上半身の弱さと、先発経験の不足は気になるが、彼はまだまだ成長できるタフな選手だ。
B Steven Ruiz(USA Today) 追加
今年のドラフトでは、もっとも優れたアスリートのひとり。長い腕と良い足がある。肉体的には、NFLの優れたパスラッシャーを相手にできるだろうが、適切なテクニックは持っているのか? それが最大の問題だ。
B Dan Kadar(SB Nation) 追加
ブロンコスがレフトタックルを指名することは誰もが知っていた。ボールズは巨大なアスリートで、その素早い足によりレフトタックルをプレイできる。個人的には、万能なブロッカーであるラムチェックの方が良かったが、この指名が完全な間違いだったとは言えない。彼の態度はチームメイトに良い影響を与えるだろう。
C+ Mike Tanier(B/R)
長所:まだ未熟なパワー。高い運動能力
短所:25歳になるが、自分がフィールドで何をしているのか理解できていない
壇上で赤ちゃんを抱いていた彼を、ブーイングできるファンは少なかった。彼の抱き方は危なっかしかったが、そのうち上手くなるだろう。
彼の過去、そのストーリーは感動的だが、問題は彼がプレイできるかどうかだ。
もし彼が19歳だったら、将来の1巡指名と言われていただろう。機敏さ、パワー、最後まで仕留める能力、エナジーすべてがある。しかし、彼のテクニックは往々にしてただヒットするだけだ。突き進み、バランスを崩して、最後は地面に転がる。彼は25歳になる未熟な「可能性」でしかない。
きっと困難な道のりになるだろうが、彼は困難に慣れている。
ブロンコスは先発タックルに問題を抱えている。そして、今年のドラフトには、それを解決できる答えはなかった。ボールズは伸びしろのある選手だ。しかし、ブロンコスが彼を即先発として考えているのなら、この指名は過ちだ。
C+ Dieter Kurtenbach(FOX)
ボールズはハイリスク、ハイリターンな指名だ。ブロンコスは1巡で攻撃ラインを獲得する必要があり、明らかにボールズを気に入って指名したが、どうしてもOTラムチェックやOLフォレスト・ランプを指名した方が良かったのではと考えてしまう。本当はC評価だが、赤ちゃんが可愛かったので+をおまけした。
C+ Eric Edholm(Yahoo! Sports)
ブロンコスはレフトタックルが必要で、昨年のボールズは高いレベルでプレイしていた。彼の素晴らしい運動能力とミーンさは光っていたが、まだまだ向上すべき点も多い。来月25歳になるので、(もし5年間生き残れれば)新人契約が終わる頃には30歳になっている。彼は興味深い選手だが、より経験を積んでいるOTキャム・ロビンソンをスルーして指名したことは、長期的に見て、失敗だったという結果になるかもしれない。
C Chad Reuter(NFL.com)
ボールズはアスレチックでタフなマインドの選手だ。彼はまた、多くの困難を乗り越えてきた年長の選手でもある。いくつかのチームは、彼がラインの複雑なアジャストメントに対応できるのか疑問を持っている。ブロンコスはレフトタックルが必要だったが、OTラムチェックを指名することもできた。この2人のキャリアが今後どうなるか、面白い比較になるだろう。
LT #72 UCLA戦
コロラド戦
Garett Bolles Vs Colorado(2016) - YouTube
BYU戦
Garett Bolles vs BYU (2016) - YouTube
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