ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

ドラフト外新人 QB

ドラフト外で契約した新人選手の紹介。

1回目はQBです。 

 

オフェンス

Pos   Ht Wt School Bonus
QB Brett Rypien 6-2 202 Boise State $10,000
RB Devontae Jackson 5-7 176 West Georgia $7,000
FB George Aston 6-0 240 Pittsburgh $2,000
WR Trinity Benson 6-0 180 East Central $10,000
WR Romell Guerrier 5-10 184 Florida Tech $3,000
WR Kelvin McKnight 5-8 186 Samford $5,000
TE Austin Fort 6-4 244 Wyoming $3,500
C Ryan Crozier 6-4 294 Connecticut  
OT Quinn Bailey 6-6 323 Arizona State $3,000
OT John Leglue 6-7 310 Tulane $5,000
OL Nathan Jacobson 6-5 280 UNLV  
OL Brian Wallace 6-6 320 Arkansas $5,000

 

 

 

QB ブレット・リッピン

Brett Rypien / 身長6-2 体重202 / Boise State / シニア

 

NFLの元QBマーク・リッピンの甥。叔父は1986年にレッドスキンズから6巡で指名されて活躍し、第26回スーパーボウルのMVPにも選ばれている。

高校では通算13,044ヤードを投げており、ワシントン州のパスヤード記録を更新。シニアの年には4,552ヤード、50TDの成績で州の最優秀選手に選ばれている。

4つ星の有望選手、全米トップ15の高校QBと評価されていた。

 

2015年は11試合に出場し、10試合に先発した。パスヤード、パス成功数、パス試投数、トータル攻撃でMountain West カンファレンスのトップを記録。パス成功率、TD数も同2位だった。

ポインセチアボウルの攻撃MVP、カンファレンスの最優秀フレッシュマン賞、All-MW(1st Team)に選ばれている。 

2016年は全13試合に先発。2年連続でAll-MW(1st Team)に選ばれている。

2017年はAll-MW(2nd Team)に選出。カンファレンスのチャンピオンシップ・ゲームでは攻撃MVPに選ばれ勝利した。

2018年は全13試合に先発。キャリアハイの成績でカンファレンスの攻撃MVP賞、3回目のAll-MW(1st Team)に選ばれている。

 

通算のパスヤード(13,581)、パス成功数(1,036)、パス300ヤード超の試合数(21)はカンファレンスの歴代トップ記録

All-Academic Team(学業優秀)に3年連続で選ばれている

 

 

Year GP Cmp Att Pct Yards Avg TD INT
2015 11 273 429 63.6% 3,353 7.8 20 8
2016 13 244 394 61.9% 3,646 9.3 24 8
2017 13 218 348 62.6% 2,877 8.3 16 6
2018 13 301 447 67.3% 3,705 8.3 30 7
  50 1,036 1,618 64.0% 13,581 8.4 90 29

 

 

 

指名予想:7巡~ドラフト外

似た選手: Nick Mullens(S.F)

 

概要

計測の数字は足りないが、数字で測れない能力は高い。サイズ、機動力、NFL級の肩の強さを欠いており、その点ではプロで先発できるかは疑問だ。フットボール知性、パスの精度、一貫性にはチャンスがある。彼はフレッシュマンから先発し、ただ生き残っただけでなく前進し成長できることを証明した。INT数の多さは肩の弱さに起因しているので、タイミングをベースにしたパス攻撃をやるチームに入り、そこでバックアップをやる必要がある。

 

長所

センターの後ろでスナップを受けた経験があり安定している。スムーズにドロップバックして体勢をセットアップし、良いリズムで投げる。リリースがコンパクト。平均以上のフットボールIQがあり、スナップ前に守備を読む。目線で守備(両セーフティー)を騙す。エッジからのプレッシャーを察知してポケットで前に上がる。一貫してダウンフィールドを見続ける。パンプして投げるフェイクを見せ、最初の読みから変更して新しいターゲットに調整できる。タイミングと予期でパスを投げる。短中長どの距離でも正確なパスを投げる。

 

短所

一般的に求められる最低限のサイズより小さい。手がやや小さい。ポケットでたいしたことのない接触によるファンブルが多すぎる。サイドに投げるパスで許されるミスの余裕が少ない。ボールホークな守備選手に勝てるだけの肩の強さがない。タッチ・スローが短すぎてINTされる。機動力は平均以下で、足による脅威にはなれない。目の前に突然現れたラッシャーをかわすことができず無力。アームタックルでサックされてしまう。

 

 

ハイライト動画


Brett Rypien Boise State Football Highlights - 2018 Season | Stadium

 

 

ドラフト2巡でQBドリュー・ロックを指名していたこともあって、ドラフト外で5人目(現在は4人目)のQBと契約したのは意外だったですね。

契約内容もなかなかのサプライズで、契約金1万ドル、基本給のうち13万6000ドル、合計で14万6000ドル(約1500万円)が保証されています。

ドラフト外の保証額も上昇傾向にありますが、リッピンには多くのチームから契約の電話があったそうなので、破格の保証額になったようです(ちなみに今年はライオンズのOTライアン・ポープの16万5000ドル保証が最高らしいです)

リッピンの契約は、基本給のうち13万6000ドルが保証されていますが、今年は練習生(PS)のサラリーが週8000ドルだそうなので、レギュラーシーズンの17週分でちょうど計13万6000ドルになり、金額が一致しています。

この契約内容からも、今シーズンは(最低でも)練習生としてキープする計画だということがうかがえますね。

 

リッピンはフットボール頭脳、パス精度、タッチ、プレイアクションのスムーズさなど、いかにもシャナハン系のコーチが獲りそうなタイプという感じがします。 

ヒットを受ける直前でもダウンフィールドに投げ込めるガッツやタフさも印象的で、新OCリッチ・スキャンガレーロが好むQB像とも一致しているように思います。リッピンもブロンコスを選んだのは「スキャンガレーロの存在が大きかった」と語っていますね。