4巡 RB デボンテ・ブッカー
4人目は、補償ピックの4巡指名です。
4巡38位(全体136番目)
RB デボンテ・ブッカー
名前 | Devontae Dupree Booker |
---|---|
身長 | 5-11 (1.80m) |
体重 | 208 (94kg) |
大学 | Utah |
年齢 | 24歳 (1992年5月27日) |
学年 | RSシニア |
腕の長さ | 31 5/8インチ (80.3cm) |
手の大きさ | 8 5/8インチ (21.9cm) |
40ヤード | |
10ヤード | |
20ヤード | |
20ヤードSS | |
3-Cone Drill | |
垂直跳び | |
立ち幅跳び | |
ベンチプレス | 22回 |
大学の成績
Year | GP | Att | Yds | Avg | TD | Rec | Yds | Avg | TD |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014 | 13 | 292 | 1512 | 5.2 | 10 | 43 | 306 | 7.1 | 2 |
2015 | 10 | 268 | 1261 | 4.7 | 11 | 37 | 316 | 8.5 | 0 |
評価
概要
カルフォルニア州の高校では、ジュニアの時に1850ヤード、36TD、シニアの時に2884ヤード、45TDを記録する活躍だった。
高校を卒業すると、最初はワシントン州立大学に進学するとコミットしていたが、SAT(大学進学適性試験)の点数が足りず、入学は認められなかった。
続いて、フレズノ州立大学から、翌月にSATを再受験して点数を上げることを条件に入学をオファーされ、勉強して点数をクリアしたが、大学側の書類手続きの不備(期限切れ)のため、入学することができなかった。
その結果、カルフォルニア州の2年制大学(American River College)に進学することとなった。
2011年は10試合で793ヤード、12TDを記録した。
2012年は11試合で1472ヤード、15TD、レシーブで9回、58ヤード、2TDを記録して、All-Valley Conference の1stチームに選出された。キックリターンでも2TDを決めている。
2013年は学業に集中するため、フットボールを1年間休んだ。
2年制大学での活躍にも関わらず、4年制大学からの接触はほとんどなかった。そのためコーチが全米の大学に連絡して、ようやくユタ大学からオファーをもらった。
ユタ大学に編入した2014年は、13試合で1512ヤード、10TDを記録した。
先発に昇格したのは4試合目で、最初の3試合は合計31回、179ヤードしか走っていなかった。残りの10試合では、1試合平均133ヤードを記録している。
2015年は膝(半月板)の怪我でシーズンエンドになるまで、10試合に先発して、1261ヤード、10TDを記録した。
ユタ大学で2年連続1000ヤード以上走ったのは史上2人目だった。
2014年はAll-Pac12の1stチーム、2015年は2ndチームに選出された。
長所
我慢強く待てるランナーだが、穴を見つけた時の決定力がある。賢い判断で守備選手を避けてランを出す。素晴らしい視野がある。
方向転換やカットをしても減速せずに走れる。
パワフルに鍛えられたコンパクトな身体で、見かけよりもヘビーに走る。低い重心、優れた前傾姿勢と足のドライブで頻繁にタックルを外す。PFFによると、2015年は304回持って、相手に71回のミスタックルを誘発させている。
強力なカットを決め、素早くトップスピードに加速し、セカンダリーに進入すると、無駄な動きで守備選手をかわすのではなく、真っ直ぐに進路を切り開く。
軽快な足と素晴らしいバランスで密集をすり抜ける。足元へのタックルをうまく飛び越える。
ソフトな手を持つ優れたパスキャッチャー。2年間で80キャッチを記録している。
滅多にフィールドから下がらない。大学ではショートヤードを更新するランナーとしても信頼されていた。パスプロもいとわずにやる。
短所
スピードが最大の懸念。トップスピードに欠けるので、ビッグゲインを決めるランナーにはなれない。
相手から逃れるバーストがなく、NFLの守備選手には追いつかれて捕まる。12ヤードのランが、プロでは4ヤードくらいになってしまうかもしれない。
細い体格。フルタイムのRBだったが、NFLでフルタイムやるにはギリギリくらい。スピードや敏捷性を損なわずに増量する余地もあまりない。
手が小さい。ファンブルが多い。昨年は数を減らしたが、2年間で9個やらかしている。PFFによると、約71回に1度(2015年は約101回に1度)ファンブルしていた。
パスプロはまだ修行中。守備選手に軽く当たるだけということが多い。
ソフトな手と、優れたボディ・コントロールで、ボールを確保して流れるように駆け上がるが、活躍のほとんどはシンプルなフラットやスクリーンだった。
シーズンエンドになった膝(半月版)の状態に不安がある。スーパーボウルの週にクリーンアップの手術(修復の再手術)を受けている。年齢も24歳と若くない。
ワンダリック・テスト(知能テスト)の成績が8点と15点で低かった。少しキャラクターの懸念もある。
総評
プロスタイルのラン攻撃を経験しており、ボールを持つごとにリズムに乗る選手。短いヤードを更新できるタフさと決定力があり、優れた視野とフットワークによって、スクリメージでもセカンドレベルでも活躍できる。速くはないが一定のスピードでプレイし、先発RBとして活躍できるだけの機敏さがある。
ユタ大学では1試合平均で30回以上走るワークホースだったが、その酷使ぶりと、激しいランのスタイルゆえに耐久性の懸念がある。さらにファンブル癖と24歳の年齢といったマイナス要素で、いくつかのチームからは避けられるかもしれない。
似たタイプの選手
- RB Jeremy Langford(CHI)
- RB Doug Martin(T.B)
- RB Arian Foster(元HOU)
感想
ドラフト前のアナリスト評だと、今年3~4番目のRBとか、ボードの50~60番目に評価しているとか、2日目には消えるだろう、といった声が多かったですけど、3日目の全体136番目まで落ちてくるプチ・サプライズで、ブロンコスが指名しました。
それだけに「この指名はスティールだ」といった高評価が目立っている感じで、「1年目から先発する」とか「現時点ですでにブロンコスのトップRBだ」とか、先発のC.J.アンダーソンが聞いたら怒りそうな専門家のコメントもありましたね。
スピードがない、ファンブルが多い、年齢が24歳、怪我からの回復中などなど、ドラフトで落ちそうなマイナス要素も確かにあるわけですが、ラン、レシーブ、ブロック、なんでもやれるワークホースで、ユタ大学の攻撃は「ブッカー・オフェンス」と呼ばれていたほど、攻撃の中心選手として活躍していたそうです。
プロでも攻撃システムにフィットすれば活躍できると評価されていて、ドラフト前からブロンコスのゾーンブロック・システムはピッタリだと言われていました。レシーブ能力も高いので、パスプロさえクリアできれば、出番は近そうです。
会見で「ファンに伝えたい。俺はブロンコスで最高のRBになりたいんだ。デンバーには誰かのパッドを運ぶために行くんじゃない、誰かの仕事を奪うために行くんだ」と、なかなか挑発的なコメントをして話題になりましたけど、過去のインタビューなんかを見ても、大学時代に遠回りをして、なかなか評価してもらえなかった悔しい経験が、この発言にも表れているのかなと思います。
ブロンコスは、シャナハン&クービアック時代に、たくさんの無名RBを活躍させてきた系譜がありますが、クービアックはテキサンズでもドラフト外のRBアリアン・フォスターを育ててますし、RBを見つけて活躍させる能力に期待したいですね。
ドラフト評価
- A+ Walter Football
- A CBS Sports
- B+ Blecher Report
動画
ハイライト動画
カルフォルニア大学戦
Devontae Booker vs Cal 2015 - YouTube
指名の動画。ジェイク・プラマーがスキーで登場したシーンは評判が良かったですね
Devontae Booker (RB) | Pick 136: Denver Broncos | 2016 NFL Draft - YouTube
引用元
- Devontae Booker Draft Profile – NFL.com
- Devontae Booker, RB, Utah, NFL Draft - CBSSports.com - NFLDraftScout.com
- Devontae Booker NFL Draft 2016: Scouting Report, Grade for Broncos Rookie | Bleacher Report
- Devontae Booker - 2015 Football Roster - Utah Athletics
- 1巡 QB パクストン・リンチ
- 2巡 DT アダム・ゴトシス
- 3巡 FS ジャスティン・シモンズ
- 4巡 RB デボンテ・ブッカー
- 5巡 OG コナー・マクガバン
- 6巡 FB アンディ・ジャノビッチ
- 6巡 S ウィル・パークス
- 7巡 P ライリー・ディクソン
- ドラフト外FA選手