ブロ研 [ブロンコス研究所]

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ドラフト候補 QB

2022年のNFLドラフト候補を紹介する1回目。

今年もダニエル・ジェレマイア氏の「トップ50」から、ドラフト候補となる選手たちの評価を確認します。

 

クォーターバック

  • 18位 ケニー・ピケット(ピッツバーグ
  • 34位 マット・コラール(ミシシッピー)
  • 35位 マリク・ウィリス(リバティ)
  • 36位 サム・ハウエル(ノース・カロライナ)

 

Daniel Jeremiah's top 50: 2022 NFL Draft prospect rankings 1.0

 

 

18位 QB ケニー・ピケット

Kenny Pickett / 身長6-3 体重217 / Pittsburgh / RSシニア 23歳

理想的なサイズ、運動能力、パスの正確さを備えている。下半身の機敏さによってポケットの中で守備選手を避けたり、外に逃げてプレイを決める能力がある。クイックなリリースがあり、さまざまな腕のアングルからパスを投げている。エリート級の肩の強さはないものの、素晴らしいアンテシペーション(レシーバーがオープンになるのを予期して投げる能力)でカバーしている。素早い目で次々とフィールドを見渡し、3番目のターゲットまで探している。パスの正確性は素晴らしいが、たまに目が足より早い(足が安定していないまま投げている)ことがあり、それがボールプレイスメントに影響している。動きながらのパスでとても落ち着いていて楽に投げられる。パニックに陥いることはなくストライクを決める。ランナーとしても素晴らしいスピードと捕まりにくさがある。彼の手のサイズ(小さい)とグローブを付けて投げている点は話題になるだろうが、私はどちらも心配していない。全体として、彼は運動能力に優れた版マット・ハッセルバック(シーホークスなどで活躍した元QB)という印象だ。

 

5年間で49試合に先発。NCAAは(コ口ナの影響を考慮して)選手たちに追加で1年のプレイ資格を与える決定をしており、ピケットはそれを利用して2021年も大学に残ってプレイしていますね。最初の4年間はたいした成績ではなかったですが、2021年は13試合で4,319ヤード、42TD、7INTと活躍して大躍進。一気に評価を上げました。

ACCチャンピオンシップではスライディングするフリをしてそのまま守備選手を抜き去り、58ヤードのTDランを決めたシーンも話題になりましたが、これはその後ルールで禁止になっています。

長所:パスの正確さ、運動能力、先発経験 短所:手のサイズ(8.5インチ)、1年だけの活躍、今年24歳になる年齢

 

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34位 QB マット・コラール

Matt Corral / 身長6-2 体重212 / Mississippi / RSジュニア 23歳

サイズの小さい(公称は6-2 205)クォーターバックで、素晴らしい運動能力と肩の強さを持っている。セットアップでの足の機敏さがあり、地面からの反発を利用してパスのスピードを生み出している。RPO(ラン・パス・オプション)では素早い手があり、コンパクトな動作でボールを受け渡す。この攻撃システムにはスキームで勝てる選手たちが多数いて、彼は正確にボールを渡すことでビックプレイを生み出している。その足でプレッシャーを避けてプレイを創造したり、あるいは単にボールを投げ捨てる。相手から動かされ、体勢をリセットして投げないといけない時にコントロールが乱れることがある。2021年は前年からインターセプト数が10個減っていて向上が見られる。スクランブルとデザインされたランにおいて爆発的なランナーである。しかし、その無謀かつアグレッシブなプレイスタイルのせいで罰(ヒット)を受けすぎている。全体として、彼には興味をそそるスキルセットがあるものの、そのサイズとプレイスタイルの組み合わせには懸念もある。

 

ランとパスで活躍しているデュアル・スレットのQBですね。2019年から3年間の先発経験があります。レーン・キフィンがHCに就任した2020年から成績が向上したそうで、2021年はパスで3,349ヤード 20TD 5INTを記録し、ランでも614ヤード 11TDを稼いでいます。ただ、RPOで活躍しているので、プロのオフェンスでどれだけやれるのかという指摘はありますね。

2021年はチームも10勝2敗の成績で全米8位にランクされ、1月のシュガーボウルに出場しましたが、試合では第1Qにサックされて足首を負傷しそのまま退場という終わりになってしまいました。検査結果は軽傷で長期的な問題はないという話です。

長所:強肩、ラン能力 短所:サイズ、耐久性、RPOで活躍

 

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35位 QB マリク・ウィリス

Malik Willis / 身長6-0 1/2 体重219 / Liberty / RSシニア 22歳

分厚く頑丈なクォーターバックで、エリート級の肩の強さとプレイを決める能力を備えている。セットアップでの機敏な足があり、ワイドで安定した土台からパスを投げる。通常はスリークォーターの腕の角度でパスを投げており、手からボールが飛び出す。信じられないほどのRPM(ボールの回転数)を生み出し、タイトな所にパスを決める能力を見せている。パスの正確さには一貫性がない。時に足の幅が広すぎることがあり、そのせいでボールが周囲に逸れている。ボールのスピードを変えて投げる能力を見せてはいるが、レイヤーのパス(パスのタッチ)はまだ向上できる。パスの軌道がフラットすぎるせいで失敗になっていることがある。大学では多くのパスラッシュを受けてきたが、そこからプレイを延長して創造する能力がある。QBドロー、パワーズ、ゾーンリード(いずれもQBが走る系のプレイ)でとても効果的。爆発力があり、タックルを切り抜ける。全体として、彼はまだ成長の途上だが、今年のQBではもっとも伸びしろのある選手でもある。

 

最初の2年間はオーバーン大学で控え。リバティ大学に転校して1年間休んだ後、2020年から計23試合に先発しています。ちなみにリバティ大学は2017年までFCS(1部下位)に所属していましたが、2018年からFBS(1部上位)に昇格しているそうです。

2020年は10試合で2,250ヤード 20TD 6INTを投げ、ランでも944ヤード 14TDと活躍。チームは9勝1敗の成績でリバティ大学初となる全米トップ25にランクされています。2021年は13試合で2,857ヤード 27TD 12INT、ランで878ヤード 13TDを記録。スモールスクールでプレイし、個人能力で走って活躍してきたところがあるので、QBとしてはまだ未熟という評価になっていますね。

長所:強肩、ラン能力、伸びしろ 短所:身長、パスの正確さ、投球メカニクス、INT数の増加

 

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36位 QB サム・ハウエル

Sam Howell / 身長6-1 体重218 / North Carolina / ジュニア 21歳

分厚くコンパクトなクォーターバックで、素晴らしい肩の強さ、タフさ、運動能力を備えている。ドロップバックで下がる際のキビキビとした動きを気に入っている。クイックなリリースがあり、数字の外(サイドライン際)やダウンフィールド(奥)にパスを投げ込むことができる。下半身をほとんど使っていないにも関わらずこれらのパスを投げている。投げる際の体重移動が早すぎ、後ろ足が地面から浮いている。中距離では正確なタッチのパスを投げる能力があり、長距離では美しい放物線のディープボールを投げている。その運動能力で時間を稼ぎ、プレイを延長して創造することができる。デザインされたQBランでもとても効果的で、タックルを跳ね返し、オープンフィールドでは驚きの爆発力を見せている。被サック数が多く(過去3年は毎シーズン33個以上)、2021年は48個のサックを受けており、無理なパスを投げることが多かった。しかし、2021年は前年まで一緒だったチームメイトの多くが大学を去ってしまったので、それがパフォーマンスに影響していた。全体として、彼にはNFLで先発できるだけの能力がある。

 

3年間で37試合に先発。2019年はトゥルー・フレッシュマンながら先発の座を勝ち取り、1年目から3,641ヤード 38TDと活躍。2020年も3,586ヤード 30TDの成績で注目を集めました。しかし、2021年は戦力が抜けた影響もあってかチームは6勝に終わり、ランでも活躍(828ヤード 11TD)できる能力を見せたものの、パスは3,056ヤード 24TDと数字を落として期待を裏切る結果となっています。

2020年まではチームメイト(ブロンコスのRBジャボンテ・ウィリアムズ、ジェッツのRBマイケル・カーター)が強力なラン攻撃を展開していたこともあり、その恩恵を受けていたという声もありますね。似ている選手として、QBベイカー・メイフィールド(ブラウンズ)の名前が挙がったりもしています。

長所:強肩、ラン能力、タフさ、実績 短所:身長、被サック数

 

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今年のドラフトはQBが不作と言われていますね。

しかし、先発QBを探しているチームは多いので、何人かは1巡で指名されるのではないかと思われます。

ブロンコスも先発QBを必要としていますが、1巡9位で指名するほどの候補(評価的にはケニー・ピケットになりそうですが)がいるかは微妙かもしれません。

1巡指名権を放出して、トレードで大物ベテランQBを獲得する可能性もあります。

GMペイトンと新HCナサニエルハケット(元パッカーズOC)がQB問題をどう解決するのか注目ですね。

 

 

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