ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

ドラフト外新人5 CB

ドラフト外で契約した新人選手の紹介、5回目。

最後はコーナーバックです(パンターは数日前に解雇済)

 

Pos 名前 身長 体重 大学 契約金
FB Adam Prentice 6-0 245 South Carolina $10,000
WR DeVontres Dukes 6-4 216 South Florida $1,000
WR Warren Jackson 6-6 219 Colorado State $10,000
WR Branden Mack 6-5 220 Temple $5,000
TE Shaun Beyer 6-5 248 Iowa $15,000
OG Nolan Laufenberg 6-3 312 Air Force $10,000
OT Drew Himmelman 6-9 317 Illinois State $25,000
LB David Curry 6-2 230 Georgia Tech $3.000
LB Andre Mintze 6-3 249 Vanderbilt $15,000
LB Curtis Robinson 6-3 235 Stanford $10,000
CB Mac McCain III 6-0 175 North Carolina A&T $20,000
P Max Duffy 6-0 181 Kentucky  

 

 

CB マック・マッケイン3世

Mac McCain III / 身長6-0 体重175 / North Carolina A&T / 23歳 Rシニア

実績のあるアウトサイドのCBで、ボールに対してプレイすることを好む。賢い選手であり、確かな本能がある。ヒップのスムーズさは欠いていて、縦に走るNFLのレシーバーに付いていけるだけの追いかけるスピードはない。本能的ではあるものの、ダブルムーブにやられることがあるため、そのせいでためらってしまう時がある。サイズの大きい相手に苦戦することもあるが、腕の長さはいくらか助けになっている。ゾーンカバー中心のチームと練習生で契約するのが、もっとも成功する可能性が高いかもしれない。5~6巡指名予想。

 

2016年はレッドシャツ。2017年は全12試合に先発してパス防御14回、6個のインターセプトを奪う大活躍。そのうち3個でリターンTDを記録しており、逆転の決勝リターンTDと100ヤードのリターンTDも含まれている。

2018年は8試合に先発したところでACLを断裂してシーズンエンド。それでも2個のインタを記録し、再び100ヤードのリターンTDを決める活躍もあってAll-MEACに選ばれている。2019年も怪我のせいで開幕3試合を欠場しており、9試合に先発して26タックル、パス防御6回の成績だった。2020年はシーズンがキャンセルされたためプレイしていない。

 

本名はフランクリン・マッケイン3世だが、マックと呼ばれることを好んでいる。3年で計29試合の先発経験がある。フィールドの中でも外でも意欲的。通算で4個のインターセプト・リターンTDを決めているビックプレイメイカー。体重が軽くて細い体格をしている。長距離のスピードはない。怪我で試合を休んでいる。

ノースカロライナA&T州立大学はDivision I FCS(FBSの下)に所属している伝統的黒人大学(公民権法制定よりも前に黒人が高等教育を受けられるように創立された大学)になるそうです。NFLだと、ベアーズで活躍しているRB Tarik Cohenがこの大学の出身として知られていますね。 

ブロンコスドラフト外新人では2番目に高い契約金をもらっている選手で、ハイライト動画を見てもかなり派手な活躍が目立ちます。タイプ的にもHCファンジオの守備に合いそうですが、チームには先発級のCBが4人も揃っていて入り込む余地がないので、今年は練習生で残るのが現実的でしょうか。

 

 

 

29番 

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ちょっと歴史の話

1960年の2月1日、ノースカロライナA&T州立大学の黒人学生4人は、人種差別廃止のために何かできないかと考え、学生による非暴力の抗議活動として広まっていた「座り込み」(Wikipedia)を計画しました。

4人は地元グリーンズボロのスーパーマーケットに行くと、白人用ランチカウンターの席に座ってコーヒーを注文しましたが、白人の女性ウエイトレスに「ここでは黒人に食事を提供しない」と拒否され、マネージャーからも「店から出ていってくれ」と言われたため、そのまま店に残って閉店まで抗議の座り込みを続けました。

翌日になると、黒人学生20人以上がこの座り込みに加わりましたが、店はまたも注文を拒否。しかし、これが地元でニュースとして報道されたため、メディアや警察が店のまわりを囲み、多くの注目を集めることになりました。

その結果、3日目には参加者が60人に増え、4日目には300人を突破。6日目にはノースカロライナA&Tの学生たちが集会を開いて抗議活動の継続を決定しました。

こうして、この座り込みはまわりにも広まり、やがてその影響はアメリカ南部全体に拡大。これらの抗議活動と不買運動によって、人種差別のある店や施設は多額の損害を受けることになり、各地で人種差別を撤廃する店も出てきました。

7月25日、抗議活動が続いていたグリーンズボロのスーパーマーケットでは、マネージャーが黒人従業員にランチカウンターの制服を着るよう指示し、黒人客の注文を受けさせました。このチェーン店で黒人の注文を受けたのはこれが初めてのことで、これ以降はほとんどの店舗で人種差別が撤廃されることになったのでした。

アメリカで人種差別を禁止する公民権法が制定されたのは、この4年後の1964年になります。

この出来事のきっかけになった最初の黒人学生4人は「The Greensboro Four」として公民権運動の歴史に名を残し、2002年にはノースカロライナA&Tのキャンパス内に4人の彫像とモニュメントが設置されました。

その黒人学生4人のひとりフランクリン・マッケイン氏が、CBマック・マッケイン3世の祖父になります。なので、祖父の彫像が立っている大学で、その孫がフットボールで活躍したということになりますね。ちなみに前述したとおり「マック」はニックネームで、本名は祖父と同じフランクリンです。

 

 

左から2番目がマッケイン氏