ドラフト3日目・7巡 指名結果
ドラフト3日目、7巡は最後の253番目、Mr. Irrelevantになっています。
話題の指名なので、長い記事になってしまいました。
Putting a 🎀 on the #BroncosDraft and the #NFLDraft ...
— Denver Broncos (@Broncos) 2017年4月29日
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7巡35位 QB チャド・ケリー
Chad Kelly 身長6-2 体重224 1994年生まれ ミシシッピー大学 シニア
ビルズで活躍した殿堂入りQBジム・ケリーの甥。
ミシシッピー大学のスプレッド攻撃で2年間の先発経験がある。フィールドの中と外でジェットコースターのように浮き沈みの激しい大学生活を経験してきた。
ニューヨーク州でトップ5の有望株として、アラバマ大学、フロリダ州立大学などからリクルートされたが、クレムゾン大学に進学した。
2012年はレッドシャツに登録。2013年は春にACLを断裂しながらも、第3QBを務めて5試合に出場した。
2014年の春は、コール・ スタウト(後にドラフト外でチャージャースと契約)、デショーン・ワトソン(テキサンズが1巡指名)との、三つ巴の先発争いになったが、「チームに有害な行動」があったという理由により、4月にチームから放出された。
その後は、2年制大学に転校。イースト・ミシシッピー大学を、2014年のNJCAA(2年制大学リーグ)のナショナル・タイトルに導いた。
2015年は、2年制大学での活躍により4つ星の有望選手と評価され、ミシシッピー大学に転校。先発としてSECトップの4042ヤードを投げ、パスヤード、パスTD(31)、トータルTD(41)の学校記録を更新した。
同大学のQBとしては初めて、1シーズンにアラバマ大学、オーバーン大学、LSUの3校に勝利する活躍で、All-SECの2ndチームに選出されている。
2016年は、開幕から9試合に先発したが、右膝のACLを怪我してシーズンエンドになった。素行の問題でコンバインには招待されず、さらに4月のプロデイで右の手首を負傷して手術を受けている。
2013年の4月、クレムゾン大学のスプリング・ゲームで、デショーン・ワトソンの代わりにベンチに下げられると、後半はコーチに対して暴言を吐き続けていたとされ、その数日後にチームから放出された。
2014年の12月、ミシシッピー大学への転校を発表した後、バーで用心棒と口論になり、相手の顔を殴って逮捕された。その際「車に積んであるAK-47(アサルトライフル)であたりをハチの巣にしてやる」と発言したとされている(法的には解決済み)
2016年、高校フットボールの試合で、弟がレイトヒットされてチームが乱闘騒ぎになった際に、フィールドに乱入している姿が撮影された。暴力行為などはしていないという話だが、後にスタンドから離れたことを謝罪している(動画)
2016年には、友人と大麻を持っている写真が出回ったが、その写真がいつ撮られたものかは明らかになっていない。
素晴らしい強肩。あっと言わせるようなパスを投げる。ディープ・ミドルに勇気のあるパスを投げることができ、レシーバーがオープンになる前に予期してパスを投げる能力がある。過去2年間では全パス回数の13.6%で20ヤード以上のパスを投げている。フィールド全体を読んで、あらゆるルートのパスを投げている。十分な身長に鍛えられた体格をしている。ポケット内で機敏に動け、素早く態勢を整えてパスを投げる。ロールアウトやブーツレッグのパスが得意で、動きながらのパスは66.7%の成功率を誇る。先発22試合で通算1000ヤード近く走っており、足でヤードを稼ぐ運動能力もある。練習熱心さは問題ない。SECで14勝8敗と活躍している。
理想的なサイズはない。ポケットの外で好んでヒットを受けすぎる。ほとんどショットガンとピストル隊形でプレイしている。後半の立ち上がり、相手守備がアジャストしてきた時に苦戦する。フィールド左側のディープ・パスは成功率が低く、左側に投げた時のインタ率も高い。バックショルダー・フェイドのパスが酷い。プレッシャーが迫るとすぐに走る。スナップ前に守備を正しく読まず、決め打ちのパスにこだわり、ターゲットを見続ける悪い癖がある。強肩に頼り過ぎて、カバーの厚いところに投げる。自分がヒーローになるためにギャンブル的なプレイをする。2014年と2016年にACLを断裂している。大学のコーチによると、ADD(注意欠陥障害)があり、ミシシッピー大学ではプレイブックを簡単にしていたため、NFLのプレイブックをマスターできるかは挑戦になる。キャラクターの問題があり、高校や大学でコーチと衝突してきた前科がある。
某スカウトの話「彼はOKだ。NFLで先発QBの末端になれるだろう。しかし、フィールド内と外のミスで手を焼くことになると思うので、個人的には関わりたくない。我々はQBのリーダーシップを重視しており、彼にそれがあるとは信じられない」
指名予想:5~6巡
似たタイプの選手:アンディ・ダルトン、マーク・サンチェス
彼の評判と一貫性の無さは、スカウトのお気に入りとはいえないが、キャラクターの問題さえ抑えられれば、NFLの先発になれる資質を持っている。彼の守備に挑む競争心は、良い結果にもなれば、悪い結果に終わることもあるが、そこには才能があり向上できる。
年 | 大学 | G | Cmp | Att | % | Yds | Avg | TD | INT | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013 | Clemson | 5 | 10 | 17 | 58.8 | 58 | 3.4 | 0 | 0 | 87.5 |
2015 | Ole Miss | 13 | 298 | 458 | 65.1 | 4042 | 8.8 | 31 | 13 | 155.9 |
2016 | Ole Miss | 9 | 205 | 328 | 62.5 | 2758 | 8.4 | 19 | 8 | 147.4 |
.@johnelway drafted @CKelly_10 after talking with his uncle, @ProFootballHOF QB Jim Kelly
— Denver Broncos (@Broncos) 2017年4月30日
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ジム・ケリーの話
「確かに彼は馬鹿なミスを犯したが、それは3年前、まだミシシッピー大学に来る前のことだった。人々はずっとその話を持ち出して、甥のことを判断している。私はそのことにイライラさせられる。彼は良い子なんだ」
「彼は過ちから学んだ。そして、うまくいけば今後も学び続けるだろう。彼の練習熱心さは比類のないものだ。現役時代の私ですら、彼ほどの熱心さに到達したことはなかった。あとは、怪我から回復するだけだ」
ドラフト下位でのQB指名も予想されていましたけど、まさかのチャド・ケリーには驚かされましたね(エルウェイがシム・ケリーの甥を指名するという!)
純粋に才能だけを見れば、シーミアンやリンチより上かもしれないという意見もありますが、やはりQBはリーダーシップや勤勉さが大事だと思うので、怪我の回復状態も合わせて、そこらへんがどうなのか今後に注目したいです。
Jeff Legwold(ESPN)
ブロンコスは育成候補のQBを探していた。ケリーには素行と怪我の懸念がある。昨年11月には右ひざのACLを断裂した。彼はクレムゾン大学を放出され、いくつかリーグが眉をひそめるような行為をやらかした。絶頂期には、彼は今年のトップQBのひとりだった。2015年にはアラバマ大学、オーバーン大学、LSUに勝利している。彼は強肩で動ける一方、その成熟度や、態度を変える意欲には大いに疑問がある。
彼は育成される間に怪我からの回復を待つことになる。チームは彼がプロのキャリアを始めるにあたって、フィールド外の問題を解決できるようにするだろう。エルウェイはQBに競争を求めており、ケリーは2015年に4042ヤードを投げている。
Chris Burke(SI.com)
もしかしたら今年のドラフトでもっとも才能があるQBかもしれない。彼はタイトな場所に正確なパスを投げ込む意欲と能力があり、すばやく動けるランナーでもある。彼は2年間で832ヤードを走っている。しかし、彼は自信過剰により後悔するようなパスを投げ、パスラッシュに急かされてしまうことがある。フィールド外の素行問題(クレムゾン大学からの放出、バーでの口論、大麻を持った写真)に加えて、この前のプロデイでは手首を怪我して手術をすることになり、さらに評価を下げてしまった。
似た選手:ジョニー・マンゼル
Excellent Mike Tanier(B/R)
往年の名QBジム・ケリーをよく知らない若いファンからすると、キャリア最初のころの彼がわがままな人間という評判だったことに驚くかもしれない。
甥のチャド・ケリーには、叔父の2倍くらいの精神的な未熟さ、70パーセントくらいの能力、それにボールを持つたびに悪化する怪我がある。ACLの怪我に加えて、4月には手首を怪我して手術をしている。こうした怪我の問題は、キャラクターや未熟さの問題よりも上位にくる。彼は今、投げることができず、プロとして計算できない状態だ。
なので、Mr. Irrelevant(無意味)の称号は、彼にとって適切だったかもしれない。彼は1巡指名候補から道化師に落ちてしまった。あるいは、それは誤った称号かもしれない。ブロンコスはQB事情がはっきりしておらず、ケリーは(怪我と素行の問題をクリアできれば)ワイルドカードになれる。これは、とてもRelevant(意味がある)だ。
いずれにせよ、チャド・ケリーは今年のドラフトにおける最後の仕上げになった。今年のドラフトは私がカバーした中でもっともディープなものだった。ドラフトの最後に、フランチャイズQBになれる可能性のある候補が指名されるのも妥当である。
似た選手:(ダークサイドに落ちた)ジム・ケリー
チャド・ケリーには2巡指名の能力があり、問題さえなかったら1巡で指名されていたかもしれない。しかし残念ながら、彼には怪我と素行の問題があった。とはいえ、ドラフト外になるには能力が高すぎるので、私は彼を6巡指名の終わりに評価していた。ブロンコスは予想されたよりも低い位置で彼を指名したので、この指名にはバリューがあると言える。ケリーはまだ若く、手遅れになる前に人生を建て直せるかもしれない。
B+ Travis Wakeman(USA Today Broncos Wire)
ドラフト最後の指名で、ジム・ケリーの甥がMr.Irrelevantに選ばれた。ブロンコスは2年前に7巡(全体250位)でQBトレバー・シーミアンを指名しており、今年も7巡でQBを探していた。
チャド・ケリーは怪我と素行の問題がなければ、もっと上位で指名されていただろう。彼は昨年11月にACLを断裂して、シーズンエンドになった。しかし、より危険なのはフィールド外の問題で、コーチとの口論や、公共の場での衝突は、彼の権利意識や未熟さを物語っている。
フィールドでは、彼はいくつかの感心させられるパスを投げていた。走りながら正確なパスを投げ、ディープにも正確なパスを決められる。
しかし、ケリーはQBに求められるリーダーシップに欠けている。彼は成長し、試合に対する責任を証明しなければならない。彼にとっては、ブロンコスに指名されたのは最良だったかもしれない。チームのQB事情は不透明で、競争できる余地がある。
彼を7巡で指名できたことには、高評価を与えるしかない。しかし同時に、彼がここまで落ちてきたことにも相応の理由がある。
253番目の指名なら失うものはほとんどないので、賭ける価値がある。エルウェイと同期のジム・ケリーも、この指名を喜んでいるだろう。
B+ Spencer Hall(CBS Sports)
チャド・”SWAG”・ケリーは新しい称号を手にいれた。それはMr.Irrelevantだ。彼はいろいろと問題のある育成候補だ。
2015年のアラバマ大学戦(2:10あたりに面白いプレイがありますね)
Chad Kelly (Ole Miss QB) vs Alabama 2015 - YouTube
ハイライト
Chad Kelly || "Don't Forget About Me" || 2016 Highlights
どうやら背番号は6番になるようですねえー
ブロンコスの6番は、カトラー、オスワイラー(後に変更)、サンチェスが着けてきた番号ということで、ちと不安かもですが(汗
2017年ドラフト・リンク
ドラフト外・リンク