ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

シェーン・レイの話

ベンガルズ戦で3サックの活躍だったOLBシェーン・レイの話を紹介してみます。 

 

2015年12月の記事なので、昨年のプレイオフ前に書かれたものになります。

2015年の1巡指名OLBシェーン・レイが新人の生活、ボン・ミラーとデマーカス・ウェアについて書いてます。

 

 

 

www.theplayerstribune.com

 

 

 

事実:コネクト・フォー(4目並べ)ではボン・ミラーに勝てない。

 

僕は知っている。なぜならそれが新人である僕の仕事だからだ。僕は新人がみんなやるように練習で荷物運びをやる。そして毎日、コネクト・フォーでボン・ミラーの相手をしないといけない。彼はこのゲームの名人だ。僕も何回かは勝ったことがあるけど、彼はほとんど無敵だ。

 

僕はドラフトの前に、マイアミでボン・ミラーに会ったことがある。彼は憧れのパスラッシャーだった。僕は歩道で彼の話を聞いていた。気が付くと、僕たちはフットボールの話をしていた。すると彼は人々が行き交う歩道で、僕に正しいフットワークをやって見せて、指導してくれた。

 

その当時、彼は僕のことを知らなかった。どのチームが僕を指名するかも知らなかった。それなのに、彼は僕を指導してくれたのだ。

 

1巡指名の選手は多くの場合、いきなり試練に投入される。コーチたちはフィールドでは助けてくれるが、フィールド外で正しいことをするように導いたり、身体のケアの仕方を教えてくれる存在はいない。

 

その点、僕は恵まれている。僕はこのチームで2人の優れたOLB、ボン・ミラーと、デマーカス・ウェアに囲まれている。僕は毎日、彼らに質問し、学ぶことができる。これは他の新人選手にはないアドバンテージだ。

 

ボン・ミラーについて話そう。

 

テープを見ていれば、ボン・ミラーが信じられないようなアスリートだと分かるだろう。だけど近くで見ると、彼は異常だ。僕は見てきた。彼の足の素早さを。どれくらいのステップで、どうやって相手の手を叩いて肩を下げ、エッジを回るか。よし、僕も同じようにやってみよう。彼の動きを取り入れよう、そう思った。

 

ボン・ミラーの発進は見たこともないような速さだ。ある日の練習で、僕は「同じようにできないんだけど、何がいけないんだろう?」と尋ねてみた。彼は屈んで、僕の足をつかみ、正しいスタンスの位置に直してくれた。そして、身体の曲げ方、発進のスピードを最大にするバランスを教えてくれた。僕は教えてもらったことを練習した。すると、僕の発進は明らかに速くなっていった。彼がそこにいて、僕が尋ねただけなのにだ。

 

ボン・ミラーは主に身体的なことを教えてくれる。一方で、ベテランのデマーカス・ウェアは、多くの知識を教えてくれる存在だ。僕たちはフィルムを見る。ウェアはフィルムを止めて、巻き戻す。そしてスローモーションで再生する。

 

「おい、見たか。このQBはボールがスナップされる直前に前かがみになっている。これを知っていれば、速く発進できるぞ」

 

 僕たちはお互いに顔を見合わせる。

(まったく気がつかなかった……オマエはどうだ?)

(いや、俺も気がつかなかった)

 

デマーカス・ウェアは、その部屋にいる誰も気がつかないようなこと見つける。なぜなら彼はそれを長いことずっとやっているからだ。

 

ボン・ミラーは化け物のようなアスリートだ。しかし、デマーカス・ウェアはまったく違うアプローチで試合に臨む。彼は相手を陥れる。彼はその経験によって、相手がどう反応するか、どうやれば相手の弱点をさらせるかを知っている。

 

今シーズンの序盤、レイダースと対戦した時の話だ。僕はでかい選手を相手にしていた。デマーカス・ウェアが僕のところに来て言った。「オマエは強くて速い。相手はオマエよりもでかい。何度かスピード・ラッシュをやって、相手の身体を起こして後ろに下がらせろ。それからパワーでラッシュすれば、相手は重心が後ろになっているから、かわしやすくなる。QBはポケットで前に出るから、そこを捕まえろ」

 

そして、まったくそのとおりの結果になった。相手QBはポケットで前に上がり、僕はサックを決めた。

 

新人選手として、僕はまだ自分に何ができるのか模索中だ。自分の得意技、得意な動き、他の選手よりうまくできることは何なのか? そして、ボン・ミラーとデマーカス・ウェアの存在は僕を助けてくれる。ボン・ミラーからは身体的なことを学び、デマーカス・ウェアからはメンタルな部分を学べる。そうやって、僕は自分がなりたい選手がどんなものなのか、定義することができる。

 

彼らは、フィールド外でも僕の面倒を見てくれる。

 

最近、デンバーをブリザードが襲った。そして、僕はその準備をしていなかった。僕の車はドッヂのチャレンジャーで、山に住んでいるのにSUV車を持っていなかった。新人らしい過ちだ。

 

僕はボン・ミラーに電話した。

「この雪では練習場まで行けそうにない。SUV車を一台貸してくれないかな?」

即決だった。

 

デマーカス・ウェアは僕を家に招待してくれた。ある日、彼は僕のところに来て言った。「もし身体のケアが必要なら、俺の家に来いよ。レーザー治療器がある。一緒にフィルムも見れるぞ」

 

NFLについていろんな話を聞くだろう。トーテムポールの一番下にいる新人の苦労話とかだ。しかし、このチームではまったく話は逆だ。 T.J.ウォード、クリス・ハリスJr、アキブ・タリブ、みんなが僕のために時間を使って、その知識を分けてくれる。試合のことだけではない。人生すべてについてだ。

 

だけど、僕はまだ練習で彼らのヘルメット運びをやらされる。 

 

僕はデンバーに来るはずではなかった。ドラフトで23番目まで落ちる予定でもなかった。僕はドラフト前に過ちを犯して、その代償を支払った。今の僕にできることは、必死に努力して最高の選手、最高のチームメイト、最高の人間になることだけだ。すべての出来事には理由がある。結果として、僕はブロンコスという最高のチームにやって来た。ボン・ミラーやデマーカス・ウェアといった素晴らしい選手たちから多くを学び、助けてもらえる。そして新人として、スーパーボウルを目指してプレイオフを戦うチャンスもある。

 

すべてがうまくいけば、最高の報酬を得られるかもしれない。

コネクト・フォーの必勝法とかね。

 

 

 

 

 

今年FA契約して、サプライズでロスターに残ったOLBデコダ・ワットソンも、プレシーズンで活躍できたのは、デマーカス・ウェアのおかげだと語っていました。

ボン・ミラーが白い手袋を使っているのも、タオルを腰にぶらさげているのも、昔から憧れの選手だったデマーカス・ウェアのマネをしているという話ですね。

やはりデマーカス・ウェアの存在は大きいです。

 

 

おまけ

ベンガルズ戦、QBトレバー・シーミアンは4TDと見事な活躍でした。数字はちょっと出来過ぎな感じもありますけど、ラン攻撃がイマイチだったのに、あれだけやってくれれば立派だなあと思います。特に第4Qの勝負所でしっかり決めたのには感心しました。今後も楽しみですねー

あと気になったのが、WRエマニュエル・サンダースにTDパスを決めた場面。サイドラインで両手を上げて、笑顔で喜んでいるパクストン・リンチの姿も印象的でした。