NFL2015年シーズン優勝決定戦、第50回スーパーボウルが開催されました。
結果は、AFC代表のデンバー・ブロンコスが、NFC代表のカロライナ・パンサーズに、24対10で勝利し、17年ぶりの優勝を決めることができました!
簡単にちょっとだけ感想を…
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | OT | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
CAR | (17-1) | 0 | 7 | 0 | 3 | 0 | 10 |
DEN | (14-4) | 10 | 3 | 3 | 8 | 0 | 24 |
戦前のオッズでは、ブロンコスは5.5ポイントくらい不利のアンダードッグで、専門家もほとんどがパンサーズの勝利を予想していましたね。
- パンサーズ攻撃は、得点1位、総ヤード11位、パス24位、ラン1位
- パンサーズ守備は、失点6位、総ヤード6位、パス11位、ラン4位
- ブロンコス攻撃は、得点19位、総ヤード16位、パス14位、ラン17位
- ブロンコス守備は、失点4位、総ヤード1位、パス1位、ラン3位
- 守備が相手を20点前後に抑え、接戦にする
- 相手のランを止める(キャム・ニュートンのランも)
- TEオルセンを封じる
- ラン攻撃を出す
- 攻撃は自陣でターンオーバーをやらかさない
- 攻撃、守備、ST、どんな形でもいいので得点する
- 無理せず我慢、最後まで諦めない
ブロンコスがチーム全体で20得点くらいはできると計算すると、相手を同じくらいに抑えて接戦にするしかない。今シーズンのブロンコスは、守備が奮闘して、攻撃は要所を決め、最後まで諦めずに耐えて接戦を勝って来たので、最後もこの戦い方ができれば、チャンスはありそうでした。
前半の攻撃は最初のドライブ以外ダメでしたけど、それでもFGをしっかり決めて、守備のTDもあって、13対7で折り返した時には、これはいつものパターン、イケるかもと感じました。
後半は、パンサーズがFGを失敗。ブロンコスはあいかわらず攻撃が低調でしたけど、守備がビックプレイを連発。最後も守備の活躍から、ターンオーバーを奪って、TDを決めることに成功。マニングが2ポイントを決めて残り3分で24対10。そのまま守備に任せて、逃げ切りました。
勝因は、やはりブロンコスが望む理想的な展開にできたことかなと思います。スーパーボウルという大舞台で、いつもの自分たちの戦い方ができたのは大きいですね。
パンサーズは痛い反則もありました。QBキャム・ニュートンも緊張があったのか、レシーバーの落球のせいなのか、不調だったように見えましたね。
しかし、兎にも角にも守備の活躍、これに尽きます。凄かったです!
それにしても、今シーズンのブロンコスはいろいろあったなあと思います。
HCジョン・フォックスが去って、エルウェイの盟友ゲイリー・クービアックが新HCに就任。新守備Cには68歳のウェイド・フィリップスが復帰して、懐かしのブロンコス体制がスタートしました。
開幕から7連勝と成績は良かったですけど、マニング率いる攻撃は不調。守備の奮闘で接戦を物にしていたものの、マニング交代論も出ていましたし、チームの評価は低かったです。
そんなとこから2連敗して、マニングがとうとう怪我で長期離脱。控えのQBブロック・オスワイラーが先発デビューして、なんとか4勝2敗。しかし、自慢の守備にも怪我人が出始めて、正直「こういうチームがスーパーボウルまで行けるんだろか」と、応援しながらも半信半疑なところもありました。
「もしかしたら?」と思い始めたのは、レギュラーシーズンが終了して、第1シードを獲得したあたりだったでしょうか(イルカさんに感謝)
シーズン序盤に、CBアキブ・タリブが「エルウェイもスーパーボウルでは100ヤードくらいしか投げずに勝っている。守備で勝つことも可能だ」と言ってましたけど、まさかそれが本当になろうとは、いまだに信じられない気持ちでいます。
はあー、ブロンコスおめでとう!
スーパーボウルMVP
OLB ボン・ミラー(6タックル、2.5サック、2ファンブル誘発)
ボン・ミラーは納得のMVPでしたね(パンサーズのコニー・イーリーも凄かったですけども)。2個のファンブル誘発が、そのままTD2個に直結したので、24得点のうち15点を稼いだと言っても過言ではないと思います。大舞台で最高の活躍でしたね。
試合後に「2年前にスーパーボウルで負けたときは、シーズンエンドの怪我で出場できなかった。肩を落とすチームメイトたちと一緒に、このチームでまた戻ってこようと話した。今回は初めての感じがしなかった」と発言していて、あの敗戦も無駄ではなかったんだなあと思いました。
相棒のOLBデマーカス・ウェアも2サックの活躍。怪我していたウェアがシーズン終盤に復帰して、それから強力なパスラッシュが復活したように思います。控えの48番OLBシャクエル・バレットと、ドラ1新人56番OLBシェーン・レイもどんどん交代投入して、フレッシュな4人が絶え間なくラッシュを仕掛けていましたね。
個人的な今シーズンのMVPは守備Cのウェイド・フィリップスでしょうか。ロッカールームで選手たちが喜ぶ姿を、後ろでニコニコしながら見ている68歳は、今シーズンの隠れ癒しキャラでもありました。白熊さんなしでは優勝はなかったと思います。
This one's for Pat !
1997年シーズン、ブロンコスは第32回スーパーボウルに勝利して、初めての優勝を達成しました。その会場で、オーナーのパット・ボウレンは「This one's for John !(これはジョンのために!)」と叫んで、優勝トロフィーを当時37歳のQBジョン・エルウェイに手渡しました。
翌1998年シーズン、ブロンコスは第33回スーパーボウルにも勝利して2連覇を達成(エルウェイはこの試合で引退)。その会場で、ボウレンは「This one's for YOU !(これはファンのために!)」と叫んで、トロフィーを掲げました。
そして2015年シーズン。ブロンコスは第50回スーパーボウルに勝利。しかし、パット・ボウレンはアルツハイマーで闘病しており、同行することができませんでした。勝利後の会場で、今やチームのGM兼副社長となったエルウェイは、トロフィーを掲げ、「This one's for Pat !(これはパット・ボウレンのために!)」と叫んで、18年前に立てたフラグを見事に回収したのでした。
エルウェイは「パット・ボウレンは第2の父親みたいな存在。我々にチャンスを与えてくれた。それに応えたかったんだ」と話していました。
ファンとしては、テレル・デービスがトロフィーを運んできて、エルウェイがそれを掲げ、HCクービアックが受け取る、感慨深いシーンとなりましたねー
マニングが勝てて正直ほっとしました。ブロンコスに来てくれて4年。39歳。たとえボロボロであっても、最後はスーパーボウルに勝って、花道を飾って欲しいと願っていたので、それが実現できて本当に良かったです。
これで引退するのかは明言を避けていますけど、父親のアーチは引退を予想しているようで、トニー・ダンジーやエルウェイは時間をかけて考えるように助言したようですね。なんだかエルウェイの引退前を思い出します。
移籍の噂なんかも出たりしますけど、個人的には、マニングはこれで引退するのではないかと予想しています。たぶん今のマニングはもう1シーズンをフルに戦うのは無理だと思います。でも時間をかけて納得する決断をしてほしいですね。
はあー、疲れたー
この2週間ずっと落ち着かなかったので、これでやっとドラフトの予習ができますw