2021年のNFLドラフト候補を紹介する14回目。
ダニエル・ジェレマイア氏の「トップ50」から、ドラフト候補となる選手たちの評価を確認します。
エッジ(DE/OLB)編の1回目、上位の4人です。
- 13位 グレゴリー・ルソー(マイアミ)
- 18位 クイッティ・ペイ(ミシガン)
- 19位 ジェイレン・フィリップス(マイアミ)
- 27位 ジェイソン・オウエ(ペン州立)
- 32位 ジョー・トライオン(ワシントン)
- 41位 アジーズ・オジュラリ(ジョージア)
- 42位 パトリック・ジョーンズ2世(ピッツバーグ)
- 50位 デヨ・オデンボウ(ヴァンダービルト)
Daniel Jeremiah's top 50: 2021 NFL Draft prospect rankings 1.0
13位 Edge グレゴリー・ルソー
Gregory Rousseau / 身長6-7 体重266 腕34.7 / Miami / 20歳 RSサーフモア
長身で長さのある、ひょろ長い守備選手。2019年はマイアミ大学の守備スキームでフロントのあちこちに位置し、守備ラインの経験が限られていた(高校時代はセーフティとレシーバーだった)にも関わらず、とても結果を出している。一流の発進は欠いているものの、素早い手、長さ、本能のコンビネーションによってサックを決め、多くのプレッシャーをかけている。効果的なスワイプとリップのムーブ(パスラッシュのテクニック)があり、相手を仕留める。2019年シーズンの初めはあまりパワーが見られなかったが、毎週ごとに良くなっていった。シーズンの終わりにはスピードをパワーに変換できるようになっていた(デューク大学戦を参照)。インサイドのラッシュを楽にこなしとても効果的。ラン守備では長い腕でエッジをセットするが、時に姿勢が高くなってしまうことがある。素晴らしい奮闘がある。まだ成長過程にある選手で、仕事を学びながら一流の実績を残している。まだまだ成長できるだろう。
1年目の2018年は2試合に出場しましたが足首を負傷してシーズンを終え、レッドシャツに登録されました。
2019年は全13試合に出場。途中から先発に昇格して7試合に先発し、54タックル、ACCでトップの15.5サックと19.5ロスタックルを記録する活躍で、ACCの守備新人賞とAll-ACCに選出されています。2020年はオプトアウトを表明して休みました。
フランスの哲学者ルソーと同じ名字ですね。高校では違うポジションをやっていて、大学では1年だけ大活躍したものの、昨年は全休しており、7試合しか先発経験がありません。2019年は守備ラインの内側からラッシュすることが多く、ガードを相手に身体能力だけで無双していたという指摘もあり、評価の難しい選手になります。
2019年 15番
18位 Edge クイッティ・ペイ
Kwity Paye / 身長6-3 体重261 腕33 / Michigan / 22歳 シニア
NFLのエッジラッシャーとしては理想的な体格と爆発力を備えている。アウトサイドをプレイするのがベストだが、ミシガン大学ではフロントのあちこちを移動し、センターの正面(ノーズタックル)も経験している。パスラッシュではスタンスからの爆発力があるが、短くてカクカクしたステップにより他とは違って見える。もっと広い範囲を守ってほしいが、これは簡単に修正できる。暴力的な手で相手をノックバックさせるが、一貫して相手から逃れて仕留めるプランは向上させる必要がある。彼の奮闘と意志の強さを気に入っている。ラン守備ではタイトエンドを破壊し、バックサイドから急いで追いかけることもできる。スペースではいくらか動きに硬さがあるものの、フラットでカバーに下がるのは上手い。まだ未熟な選手ではあるが、持っているものが完成されれば、チームは大きな報酬を得られるかもしれない。
内戦時のギニア難民キャンプで生まれ、生後6ヶ月で家族とアメリカに移住。高校では陸上でも活躍し、4×100mリレーと走り幅跳びで州のチャンピオンになっているそうです。
2017年は9試合に出場。2018年は全13試合に出場し、4試合に先発。2019年は12試合に先発して50タックル、6.5サック、12.5ロスタックルを記録しています。
2020年はキャプテンに任命されて4試合に先発(鼠径部の負傷で2試合を欠場)。16タックル、2サック、4ロスタックルの成績でした。
まだ未熟ながら、超クイックなアスリートですね。1巡予想。
19位 Edge ジェイレン・フィリップス
Jaelan Phillips / 身長6-6 体重260 腕33.2 / Miami / 21歳 RSジュニア
長身で爆発力と柔軟性のあるエッジラッシャー。地面に手をつくスタンス、手をつかずに立ったまま、両方でプレイしている。パスラッシュでは素晴らしい発進があり、足首の柔軟性で膝を曲げ、スムーズにラッシュのトップをまわる。爆発的なインサイドのカウンタームーブがあり、長い腕で相手に衝撃を与え、セパレートしてサックやプレッシャーを決めることもできる。ラン守備ではもっと一貫して手を使いブロッカーをコントロールする必要がある。バックサイドから詰めるスピードと爆発力がある。UCLAでは怪我が多かったので耐久性にはいくらか不安があるが、今年のドラフトでは誰にも引けを取らないほどのパスラッシュ能力がある。
高校では5つ星、全米トップ5の有望選手と評価されていたそうで、多くの有力校の中からUCLAに進学。
2017年は1年目から7試合に出場し4試合に先発。21タックル、3.5サックを記録しましたが、足首の怪我と脳震盪に苦しんだそうです。
2018年は交通事故で手首を骨折。それでもOLBとして4試合に出場(2試合に先発)しましたが、さらなる脳震盪で医師からシーズン終了を宣告され、引退を表明して2年制大学に転校しました。
その後、フットボールを再開するためマイアミ大学に転校。2019年はNCAAの転校ルールで1年休み。2020年は10試合で45タックル、8サック、15.5ロスタックルを記録しています。
元5つ星のエリート選手でしたが怪我に苦しみ引退。転校により復活して1年だけの活躍というこれまた評価が難しい選手ですね。
27位 Edge ジェイソン・オウエ
Jayson Oweh / 身長6-5 体重257 腕34.5 / Penn State / 22歳 RSサーフモア
長さのある筋肉質の引き締まったエッジラッシャー。2020年の試合テープでは実績があるというよりは破壊的という選手だった。パスラッシュでは(両手を地面に付く)4ポイント・スタンスから飛び出し、効果的なチョップ/リップのムーブを使い、時にはアップ/アンダーのムーブも見せている。しかし、パスラッシュのプランをあまり持っていないスナップが多すぎる。ラッシュのトップで身体を曲げる能力があり、私が確認した試合では多くのQBヒットを決めていた。ただし、2020年はサックを決めていない。ラン守備では身体が高すぎるが、長い腕を使ってタックルを押し潰し、エッジをセットする。内側に位置した時にはダウンブロックに押し流されてしまう。全体として興味をそそるタレントであり、まだまだ成長の余地がある。
1年目の2018年は控えで4試合に出場。2019年は13試合に出場、1試合に先発して5サックを決めています。
2020年は守備エンドで7試合に先発。38タックル、6.5ロスタックルの成績でAll-Big Tenに選出されました。
40ヤード走で4.38秒!を記録したこともあるという、スピードと爆発力のあるエッジラッシャーですね。ただ、先発経験は8試合しかなく、2020年はひとつもサックを記録していないという不安要素もあります。テクニックなどがまだ未熟で、スピードや身体能力を活かせていないとも言われています。
今年のエッジは、トップ5で指名されるようなエリート選手こそ見当たらないですが、なかなか層は厚いようですね。ただ、身体能力は高いものの、試合経験の少ないまだ未熟なタイプが多い感じがします。
ブロンコスも(LBボン・ミラーの去就が不透明なこともあり)パスラッシャーのニーズは高い方だと思いますが、1巡9位で指名するほどの候補はいないかもしれません。
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