2021年のNFLドラフト候補を紹介する11回目。
ダニエル・ジェレマイア氏の「トップ50」から、ドラフト候補となる選手たちの評価を確認します。
*印=2.0版で追加された2選手
ラインバッカー編の1回目、上位の3人です。
- 09位 マイカ・パーソンズ(ペン州立)
- 21位 ジェレマイア・オウス・コラモア(ノートルダム)
- 26位 ゼイヴン・コリンズ(タルサ)
- 29位 ニック・ボルトン(ミズーリ)
- 35位* ジェミン・デイビス(ケンタッキー)
- 43位* ジャブリル・コックス(LSU)
Daniel Jeremiah's top 50: 2021 NFL Draft prospect rankings 1.0
Micah Parsons / 身長6-3 体重246 / Penn State / 21歳 ジュニア
大きくてアスレチックなフレームに、素晴らしいスピードと万能性を備えている。素早く攻撃のキー(攻撃ラインの動き)を読み、スクリメージラインをアタックする。手でブロックを打ち破ることも、敏捷性ですり抜けることもできる。サイドラインからサイドラインまでプレイを決められるスピードがあるものの、私が見た試合では何度かオーバーランしてしまう場面もあった。ゾーンリード(RBにボールを渡すか、QBがキープしたままかの二択)でボールの位置を見失う問題もある。TEとRBをカバーする優れた能力がある。エッジからブリッツするタイミングと爆発力がある。全体として彼のプレイに穴は少ない。彼ほどのサイズがあり、パス守備でインパクトを与えられる能力を兼ね備えているLBは珍しい。
高校では5つ星の守備エンドでしたが、大学でミドルラインバッカーに移動。2018年は1年目のフレッシュマンながら13試合に出場。先発は1試合だけで、チームトップの83タックルを記録しました。
2019年は12試合に先発して、109タックル、5サックを記録。メンフィス大学と対戦したコットンボウルでは14タックル、2サック、2ファンブル誘発の大暴れで守備MVPを獲得し、Big Tenの最優秀LB賞、満場一致のAll-Americanにも選出されています。
2020年はコロナ禍によりオプトアウトを表明。まだ2歳の子供がいるため、家族の健康を優先するという理由もあったそうです。
トップ10指名が予想されている万能LBですが、一部でキャラクターの懸念(フィールド外の問題。元チームメイトへのいじめ事件に関与していた疑惑など)に関する報道も出ており、今のところ大きな問題にはなっていないようですが、もしかしたら指名順位が落ちるかも?しれませんね。
21位 LB ジェレマイア・オウス・コラモア
Jeremiah Owusu-Koramoah / 身長6-1 体重215 / Notre Dame / 21歳 シニア
大学ではアスレチックなハイブリッドの守備選手として活躍した。WLB(ウィークサイドのOLB)とセーフティをプレイでき、スロットをカバーすることさえできる。とても流動的かつ敏捷で、TE、RB、スロットのレシーバーに相対する。ゾーン守備で下がってカバーする優れた意識があり、エッジからブリッツする爆発力もある。ラン守備では素早く攻撃のキーを読み、フロントサイドでブロックの下をもぐる。長い腕でブロックを押しのける能力を見せているが、相手を叩きのめす方がはるかに効果的。バックサイドから追いかけるトップクラスのスピードがある。しかし、相手をかすめて行き過ぎてしまうことが多々あるので、スペースでのタックルはもっと向上する必要がある。守備に素晴らしいリーダーシップをもたらす。理想的なサイズと肉体は欠いているかもしれないが、パスハッピーのNFLで活躍するために造られたような選手だ。
高校ではセーフティなどをプレイし、バスケでも活躍していたそうです。2017年は出場なし。2018年は2試合に出場した後、練習中に足を骨折してシーズン終了。
2019年は全13試合に先発し、アイオワ州立大学と対戦したキャンピングワールドボウルでは3サックを決めるなど活躍。チームトップの80タックルを記録し、5.5サックを決めています。
2020年は12試合に先発して、ACCの最優秀守備選手、満場一致のAll-Americanに選出され、Butkus Award(全米最優秀LB賞)も獲得しました。
略してJOKですね。軽量でアスレチックなLBとSのハイブリッドという感じの選手で、似たタイプだと昨年2巡のLBジェレミー・チン(パンサーズ)とかも活躍しています。プロではどういう使われ方をするかが大事になりそうです。1巡評価
26位 LB ゼイヴン・コリンズ
Zaven Collins / 身長6-5 体重259 / Tulsa / 21歳 RSジュニア
巨大なオフボールのラインバッカー。タルサ大学では3-3-5の守備隊列でアウトサイドをプレイした。ラン守備ではガードのブロックを引き受けるだけの長さと肉体があり、振りほどいてタックルを決める。横方向に加速し、広い守備範囲がある。短いエリアでの敏捷さは平均的だが、スペースでは頼れるタックラーである。パス守備では素晴らしく、本能でパスのレーンを塞ぐ。フィールド全体で十二分にTEをカバーできる。時にはエッジからラッシュすることもあり、巧みな手の動きでTEやRBに勝つ。テュレーン大学との対戦ではオーバータイムに96ヤードのインターセプト・リターンTDを決めて勝利しており、それを見ても彼の運動能力を認識することができる。サイズとスピードのユニークな組み合わせがあり、プロでもすぐにインパクトを起こすだろうと思う。
高校ではQBと守備で活躍し、野球、バスケ、陸上もやっていましたが、田舎の学校だったせいか有力大学からは見過ごされ、奨学金をオファーしてくれたのは地元のタルサ大学だけだったそうです。
1年目はレッドシャツ。2018年は怪我人が出たことでLBの先発に入ると、10試合で85タックル、1.5サックを記録する活躍。2019年も全12試合に先発して97タックル、2サックの成績でした。
2020年は8試合に先発して53タックル、4サック、4インタ(2リターンTD)を記録。ACCの最優秀守備選手、満場一致のAll-Americanに選出され、全米最優秀守備選手賞のBronko Nagurski Awardも獲得しています。
このサイズで動けて爆発力があり、パスカバーでも通算5個のインターセプトを決めていますね。ただ、超一流のトップスピードはないとも言われているので、40ヤード走のタイムは要注目かもしれません。1~2巡評価
現時点のモックドラフトだと、ブロンコスが1巡9位でLBマイカ・パーソンズを指名するという予想も見かけますね。
ニーズとしてはトップ10で指名するほどではない感じもしますが、アップグレードしたいポジションではありますし、(LB ボン・ミラーの去就がはっきりしていないので)守備に万能でインパクトのある選手が欲しいというのはあるかもと思います。
ただ、今年のドラフトはLBの層が厚いと言われていて、2日目あたりでも良い選手が指名できるという話もあります。新GMジョージ・ペイトンが選手のキャラクターをどう評価するのかも気になりますね。
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