2個目の2巡指名は、スティーラーズからもらった指名権を使ってトレードアップ。
2巡20位から10位に上がって、QBドリュー・ロックを指名!
With the #42 overall pick in the 2019 @NFLDraft, the @Broncos select QB Drew Lock! #NFLDraft pic.twitter.com/JVHw1bpQde
— NFL (@NFL) 2019年4月26日
ドラフト前にはトップ10の予想もあり、ブロンコスの「本命」という声もありましたが大きく落下。2巡で残っていたところをトレードアップして獲得というサプライズになりました。
エルウェイによると「1日目が終わって予想外に残っていたため指名について話し合い獲得を決定。ドルフィンズやレイダースを警戒してトレードアップした」そうです。一部ではパッカーズが狙っていたという話も出ていますね。
チームは「先発はジョー・フラッコ」「ロックは控えを争う」「まだたくさん学ぶ必要がある」など慎重な発言をしているので、将来の先発候補としてしばらくは育成することになるのかなと思います。
2巡 10位
QB ドリュー・ロック
Drew Lock / 身長6-3 6/8 体重228 / ミズーリ大学 / シニア
ミズーリ州の高校で活躍し、4つ星の有望QBに評価された。全米から有望な高校QBが招待される競技会「エリート11」に選ばれている。
多くの大学からリクルートされたが地元のミズーリ大学に進学。父親も祖父も同大学でプレイしていた。
2015年は全12試合に出場し、最後の8試合に先発した。同大学でトゥルーフレッシュマンのQBが先発するのは1995年以来のことだった。
2016年はSECで1位のパスヤード(3,399)、同2位の1試合平均ヤード(283.3)と平均パス成功ヤード(14.34)を記録した。これらの数字はいずれも全米トップ20位以内に入っており、パス3,399ヤードは全米10位の数字だった。
2017年は全米トップの44TDを投げ、ミズーリ大学とSECのシーズン記録を更新した。QBレイティング165.7も同大学のシーズン新記録。他にも多くのカテゴリーでSECトップの数字を記録している。
このシーズンは1勝5敗のスタートだったが、そこから6連勝し、チームを2014年以来となるボウルゲームに導いた。開幕戦では7TDを決めており、9試合で3TD以上を投げている。
2018年はパス成功率62.9%、28TD、8INTの数字だった。開幕から3連勝した後、ジョージア、サウス・カロライナ、アラバマの3連戦でTDパス1個、5つのINTを含むターンオーバー7個を喫して3連敗した。その後は6試合で5勝し、8勝4敗の成績でボウルゲームに出場している。
前年からパスヤードとTD数は減ったものの、パス成功率、INT数は向上しており、All-SEC(2nd Team)に選出された。
SECで4年間の先発経験があり、SEC歴代2位の通算12,193ヤードを投げている
通算99TDはSEC歴代3位の記録
いずれの数字もミズーリ大学史上2位の記録(1位はQBチェイス・ダニエルが保持)
先発成績は2勝6敗、4勝8敗、7勝6敗、8勝5敗で通算21勝25敗
ボウルゲームは2敗
4年間毎年違う攻撃コーディネーターの下でプレイしていたが、パス成功率は上昇している
チームキャプテンを3年間つとめた
手のサイズが小さい(9インチ)
そのパス能力や危険なプレイぶりからジェイ・カトラーとも比較されている
40ヤード 4.69(QB5位)、垂直飛び 31インチ(8位)、立ち幅跳び 112インチ(9位)、3コーン 7.03秒(3位)、20シャトル 4.12秒(2位)
Year | GP | GS | Cmp | Att | Pct | Yards | Avg | TD | Int | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015 | 12 | 8 | 129 | 263 | 49.0% | 1,332 | 5.1 | 4 | 8 | 90.5 |
2016 | 12 | 12 | 237 | 434 | 54.6% | 3,399 | 7.8 | 23 | 10 | 133.3 |
2017 | 13 | 13 | 242 | 419 | 57.8% | 3,964 | 9.5 | 44 | 13 | 165.7 |
2018 | 13 | 13 | 275 | 437 | 62.9% | 3,498 | 8.0 | 28 | 8 | 147.7 |
50 | 46 | 883 | 1,553 | 56.9% | 12,193 | 7.9 | 99 | 39 | 138.8 |
指名予想:1巡
似た選手:QB Matthew Stafford
概要
サイズと強肩があり、フィールド全体を読むことができるが、パスの精度、強い相手と対戦した際の一貫性に懸念がある。試合を見ると上位指名に相応しいリードとスローを見せている。しかし同じ試合でパス精度の乱れ、ポケットでプレッシャーに弱いシーンも見ることができる。今年のQBクラスではもっとも純粋な能力を備えているが、パス精度とゲームでの態度を向上できなければ、ポテンシャルを活かせないままに終わるだろう。
長所
プロトタイプなサイズと強肩のコンビネーションがある。フィールド全体を素早くスキャンする能力がある。ポケットでの動きがクイック。並はずれたリリースの早さがある。予期して投げることができる。恐れず自信をもってチャレンジングなパスをダウンフィールドに投げ込める。狭いシーム(隙間)やカバー2の穴にパスを投げ込む。視線でセーフティーを騙して動かせる。最初のターデットにこだわることは稀で、守備選手が(先読みして)飛び出すことを防ぐ。それなりのディープ・ボールのタッチ、精度があり、レシーバーにプレイを決めるチャンスを与える。機動力とエッジからのプレッシャーを感じる能力により被サックが少ない。動きながらフィールドを見ることができる。過去2年はレシーバーの落球が多く、それによりパス成功率が落ちてしまった。
短所
精度とタッチに一貫性がない。手加減して投げる必要がある簡単な短いパスでボールが強すぎる。腕だけでボールを投げている。クロスするルートやスラントでボールがターゲットのビハインドになる。投げる時に腕が下がっているせいでボールを叩かれる。ポケットでのフットワークはもっと規律が必要。足を動かされるとパス成績が急激に落ちる。動いている時に正面を向いて投げないことがある。落ち着きや判断がプレッシャーの有無によって左右される。ラッシュから後退して逃げるせいで、成功率の低いパスを投げることになる。2018年はSECのチームに対して14TD、7INTの成績だった。アラバマ大学戦とジョージア大学戦では混乱し不安定で複数のターンオーバーを喫した。
ハイライト動画
Drew Lock 2018-19 Highlights || Missouri QB || “Golden Arm” || ᴴᴰ
指名評価
A Pete Prisco(CBS Sports)
この選手を気に入っている。彼にはSwagger(自信)と強肩が備わっている。それはQBに必要な資質だ。彼はハドルでオフェンスを率いるだろう。彼はガンスリンガーだ。多くの人はQBジェイ・カトラーと比較しているが、彼にはQBブレット・ファーヴの要素も少しある。
A Mike Tanier(Bleacher Report)
カーク・カズンズの精神+ジェイ・カトラーの身体
この組み合わせはなかなか良さそうじゃないだろうか? カトラーの能力からあの性格を排除し、カズンズの練習熱心さと(間抜けな日曜学校の先生みたいな)好ましい人格を足せば、ブロンコスは究極の能力と手堅い精神を備えたQBを手に入れることができるかもしれない。これならプロボウルは間違いなしだ。
(中略)
ロックはTVゲームのようなパスを決めることができる。けっこう上手く走る。素晴らしい若者にも見える。もしプロの育成を信じるなら、ブロンコスはロックの変な基礎を矯正し、パトリック・マホームズのように育てることができるかもしれない。
私はブロンコスが欠陥のあるQBを育成できるとは(パクストン・リンチの例を見ても)あまり信じていない。しかし、エルウェイはトレードダウンして指名権を増やし、1巡のバリューがあるQBを2巡で獲得した。ロックはチームの将来だ。フラッコはそうではない。
この指名の評価はAだ。キーボードのボタンを押そう。QとZの間。がんばれ人差し指。押すんだ。できるはずだ。
ブロンコスはスティーラーズからもらった2巡指名を使い、トレードアップしてQBドリュー・ロックを指名した。これはグレイトな動きだった。チームはフラッコの控えとして育成する将来のQBが必要だった。ロックはパスの正確さやフィールド・ビジョンに疑問があるので、1巡で指名するのは反対だったが、強肩と伸びしろがあるので、2巡であればギャンブルする価値はある。
B+ Eric Edholm(Yahoo Sports)
エルウェイはトレードアップを実現させ、1巡の10位で指名するだろうと思われていた選手を2巡で獲得した。ロックにはいくつかの欠点はあるが、ブロンコスが導入するであろう新しいオフェンスにフィットする。チェックダウンの使い方を学び、必要な時にはパスを投げ捨てることができれば、最終的にはQBジョー・フラッコの後継者になれるかもしれない。ブロンコスは上手い指名をした。
C Andy Benoit(SI.com)
現役時代のエルウェイは強肩だったが、彼が求めるQBも同じだ。それゆえにトレードでQBジョー・フラッコを獲得し、さらにトレードアップしてロックを指名した。問題はロックのメカニクスと判断能力を改善させることができるかだ。これらはプロ入りした後で矯正するのが難しい。先発にはフラッコがいるので、ロックには時間の余裕が与えられる。
D Steven Ruiz(For The Win)
(ライズナーの評価から続く…)おっと、結論を出すのが少し早かったようだ。ロックは1巡指名も予想されていた選手なので、思うにブロンコスはこの指名にバリューがあると判断したのだろう。彼はポケットの中でめちゃくちゃで、無謀な判断をやらかし、パスの正確さもよくない。言い換えるなら、彼はまさに完璧なエルウェイの指名だ。
平成最後の記事投稿!