ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

1巡 TE ノア・ファント

ドラフト1日目、ブロンコスは1巡10位から20位にトレードダウン。

 

その結果、20位でTE ノア・ファント(アイオワ大学)を指名しました。

 

 

「ドラフトではフイットするチームに指名されたかった。自分を必要としていて、スキームに合うチーム。ブロンコスはその条件を完璧に満たしている。超興奮しているよ。僕にとってこれ以上のチームはない」

 

40ヤードを4.50秒で走るフリークなレシービング・タイトエンドですね。今年のタイトエンドでは、アイオワ大学の同僚 T.J. ホッケンソン(ライオンズが8位で指名)に次ぐ、2番目の選手という評価が多いです。

アイオワ大学のオフェンスは、ブロンコスとの親和性が高く、新OCスキャンガレーロもこの指名には興奮していたとか。新QBジョー・フラッコにとっても頼れる武器になってくれそうです!

 

 

1巡 20位

TE ノア・ファント

Noah Fant / 身長6-4 体重249 / アイオワ大学 / ジュニア

高校時代はTEとDEをプレイしていた。高校のレシーブ数記録(シーズン&通算)とTD数記録(シーズン&通算)を保持している。オール・ネブラスカに2回選出。ジュニアとシニアの時にキャプテンを務めている。高校では陸上(短距離、高跳び、三段跳び)とバスケットボールでも活動していた。

プロを引退した後は、整形外科医になりたいという興味を持っている。

 

2016年はトゥルー・フレッシュマンで11試合に出場。9回で70ヤード1TDを記録した。

2017年は30回で494ヤード11TDを記録。レシーブ平均16.5ヤードとシーズン11TDはTEで全米トップの数字だった。コーチとメディアによるAll-Big Ten(3rd Team)に選出されている。

2018年はチームメイトのTE T.J. ホッケンソンと一緒に先発し、39回で519ヤード7TDを記録。APによるAll-American(3rd Team)とAll-Big Ten(2nd Team)、コーチとメディアによるAll-Big Tenに選出。ジョン・マッキー賞(最優秀TE賞)のファイナリスト8人にも残った(T.J.ホッケンソンが受賞)

 

通算19個のTDレシーブはアイオワ大学のタイトエンド新記録(全体では歴代4番目)。Big Tenでもタイトエンド歴代3位の記録。

 

腕長 33 1/2インチ、手のサイズ 9 3/4インチ

40ヤード 4.5秒(TE1位)、ベンチプレス 20回(6位)、垂直飛び 39.5インチ(1位)、立ち幅跳び 127インチ(1位)、3コーン 6.81秒(1位)、20シャトル 4.22秒(3位)

 

  Rec Yards Avg TD
2016 9 70 7.8 1
2017 30 494 16.5 11
2018 39 518 13.3 7
  78 1,082 13.9 19

 

 

 

指名予想:1巡

似た選手:Eric Ebron(IND)

 

概要

長さ、加速、スピードにより、短距離でも長距離でもマッチアップの優位を生み出せるパスキャッチング・タイトエンド。周囲にカバーがいるとキャッチの集中が落ちるため、オープンのスペースにおいて動いている際にもっとも活躍できる。ラン攻撃を助けるためにもっと強くなり、アタックのポイントにおいてより激しくプレイする必要がある。たとえそれが無理だとしても、彼のカバーを外してビックプレイを決める能力だけでも、ムーブ・タイトエンドの新しい武器としてチームから求められるだろう。

 

長所

三段跳び、高跳び、バスケットで活躍していたメガ・アスリート。スナップからの発進により即座にシームを突きアタックする。加速の爆発力で簡単にセパレートできる。長くてルーズなストライドでダウンフィールドを走る。スピードとプレイ能力によりフィールド全体で活躍する。大学ではキャッチの4回に1回くらいの割合でTDを決めていた。バネのようにジャンプし、空中において広いキャッチの範囲がある。身体を沈めて、低いボールをすくいあげる。スピードでオープンになり、キャッチ後に飛び立つ。エンドゾーンにおいてマッチアップの悪夢になれる可能性がある。ムーブ・ブロッカーとしてセンターとバランスを保てる。ブロックにおける初動の手の位置が内側にある。

 

短所

エストから下半身にかけて細い。アタックのポイントにおいて相手に勝つ力や、プレイの強さが足りない。バックサイドのブロックではもっとハードに戦う必要がある。コンタクトによってルートが乱される。コンタクトで戦い、ルートをアジャストできるようになる必要がある。鈍いルートによってマンカバーの守備選手を自由にさせる。もっと体格を利用してキャッチのスペースを開ける方がいい。密集を感じると集中が落ちて落球に繋がる。ターンしてボールを見つけ、アンダースローに対してアジャストするのが遅い。ゾーン守備で空いているスペースを見つける一貫性がない。

 

 

ハイライト動画


Season Highlights: Noah Fant Declares for 2019 NFL Draft | Iowa | Big Ten Football

 

 

 

指名評価

新しい評価があったら追加します

 

A+ Danny Kelly(The RingerNew

今年のドラフトにおけるプレミア・アスリートで、縦にシームを破るスピードとフォーメーションのどこからでもルートを走れる敏捷性を備えている。新OCリッチ・スキャンガレーロ(前49ersのQBコーチ)のオフェンスに完璧にフィットし、(49ersでTEジョージ・キトルがやっていた役割である)パスキャッチャーとなって、キャッチ後にダイナミックにヤードを稼ぐことができる。ブロッカーとしては、アイオワ大学の相棒TEホッケンソンと同じレベルではないが伸びしろはある。この指名の相性とバリューを気に入っている。

 

A Chad Reuter(NFL.com

ファントはアスレチックなフリークで守備を広げることができる。同じ大学のTE T.J.ホッケンソンとは違い、ラン・ブロッカーとレシーバーどちらもやれる完成された選手ではないものの、新QBジョー・フラッコの武器にはなるはずだ。ブロンコスはこのトレードダウンで今年の2巡と来年の3巡を獲得した。それによりLBデビン・ブッシュを指名するチャンスは手放してしまったが、この取引きを批判することはできない。

 

A Dan Kader(SB Nation

焦って10位でファントを指名するのではなく、トレードダウンして獲得したのは賢かった。ここ数年、ブロンコスはタイトエンドを獲得しようとしてきた。しかし、ジェイク・バットやジェフ・ハイアマンなど、ドラフト中位の指名ではうまくいかなかった。ファントは彼らとは違う種類の選手だ。新QBジョー・フラッコにとって、ファントは武器にも安全弁にもなれる。彼は新人王候補のひとりかもしれない。

 

B+ Mike Tanier(Bleacher Report) 

長所:運動能力、ビックプレイ・ポテンシャル

短所:ブロッキング、多用途性

アイオワ大学ではTE T.J.ホッケンソンと共に、タイトエンドのワンツーパンチを形成していた。ホッケンソンが万能であちこちに位置していたのに対し、ファントはよく外にセットして、サイズとスピードによるマッチアップで相手を悩ませ、過去2年間で18TDを記録し、通算レシーブで平均13.9ヤードという数字を残している。コンバインでは40ヤード4.5秒を記録しており、他のワークアウトでも(試合で見たとおりの)運動能力を証明している。

アイオワ大学の先輩TE ジョージ・キトル(2017年49ersの5巡指名)が成功している影響で、ファントの評価も少しブーストしているかもしれない。キトルはアイオワ大学でなかなかの個人成績を残しているが、昨年はプロで88回1,377ヤードという大爆発を見せた。

しかし、ファントはどちらかと言うとエリック・エブロンに似ている。エブロンはライオンズに10位で指名されたもののバストと評価され、昨年はコルツに移籍して13TDの活躍を見せた。ファントも(エブロンと同じく)適切な起用法で使われなければ、ただスピードがあるだけのデコイになってしまうだろう。

私はブロンコスを厳しめに評価する傾向があるが、この指名は(これまで中位指名でごまかしてきた)ニーズを埋めており、さらにトレードダウンしたことでスティーラーズから指名権も獲得している。QBジョー・フラッコの助けにもなるだろう。

 

B Pete Prisco(CBS Sports

ファントは気に入っているし良い指名だと思う。しかし、私ならここでQBドリュー・ロックを指名していた。QBジョー・フラッコは長期的な答えではない。ファントはムーブ・タイトエンドで、彼らはNFLでますます有用になっている。それでも私ならロックを指名しただろう。

 

B- Andy Benoit(SI.com

ファントはレシービング能力に優れているが、アイオワ大学のシステムではブロックを求められてこなかった。これはどう考えればいいだろう? ブロンコスの現職TEジェフ・ハイアマンはせいぜい役に立つ先発くらいの選手であり、1巡で指名したタイトエンドを控えには置かないだろう。ファントは貢献するためにいる。しかし、彼が頼れるブロッカーになれるとも想像しにくい。ハイアマンも2TEセットにしてまで使いたいと思わせるような選手ではないし、WRサンダース、WRサットン、WRハミルトンといったレシーバーを3人起用する方がしっくりする。ファントはレシーバーとしての能力はあるが、ルートはもっと向上しなければならない。こうした疑問に、ファントのブロック能力を考え合わせると(伸びしろはあるが)今年は2番目のタイトエンドで終わることになるかもしれない。

 

C+ Yahoo Sports New

今年のドラフトで2番目に指名されたタイトエンドであり、アイオワ大学から指名された2人目のタイトエンドでもある(史上初)。ファントはブロックよりもパスキャッチが得意という選手ではあるが、ラインバッカーにマンツーマンでカバーさせたら大変なことになるだろう。

 

D+ Steven Ruiz(For The Win

ファントは近代的タイトエンドの理想形で、サイズとスピードがあり、ルートを走ることができる。しかし、ブロッカーとしては期待できないので、本質的にブロンコスは1巡で大きなレシーバーをリーチ指名したことになる。もしかしたらいつかはTEジミー・グラハム(パッカーズ)みたいになるかもしれないが、大学レベルでもBig Tenの守備選手に対して、競い合いのキャッチでは特に活躍できていなかった…