ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

NFLのトレンド(5)

ESPNの記事を紹介する5回目。

2018年シーズンを迎えるにあたっての、NFLのトレンドについて書いてあります。

 

NFL - Top trends heading into the 2018 season - RPO, jet motion, smaller linebackers, shotgun, coin tosses and more

 

 

トレンド10

「最高の選手がプロボウルに出ない」

 

プロボウルはハワイで開催されなくなった。近年はスーパーボウルに出場する選手も参加できなくなり、選手のサラリーも上昇しているため出場ボーナスも魅力的ではなくなっている。怪我のリスクを考えれば、金銭的にも損でしかない。

 

こうした理由により、多くの選手がプロボウルの出場を辞退している。最近ではプロボウルに招待される選手数の合計は(辞退者も含めて)20%以上も増加している。

 

他にも心理的な分析ができるだろうか?

 

オフシーズンの練習量は減っている。練習におけるブロッキングやタックルの要素も減少している。選手の安全を守るためにルールが変更され、試合はフィジカルさが低下している。スプレッド攻撃は(ブロックやタックルの基本よりも)スピードが重視されている。

 

数年前、プロボウルの質が低下して、タッチ・フットボールのようになった。こうした変化(ある意味では歓迎されている)が、全体的な選手たちの考え方に影響を与えたと某コーチは語っている。

 

プロボウルを見れば、エリート選手たちの考え方が分かる」同コーチは語る。「彼らはプレイしたくないのだ。彼らは試合に出てブロックやタックルをやったり、ヒットを受けたくない。彼らは恐れている。それが大きな変化だ。彼らはただ好きというだけでプレイしているのではない。彼らは他の理由でプレイしているのだ」 

 

 

トレンド11

「ほぼ全会一致、コイントスの判断」

 

ブルース・エリアンズ(カーディナルスの前HC)は引退する際に、その戦術的な哲学と共にリーグを去った。彼の哲学はリーグにおいて異常値だった。カーディナルスでの5年間、エリアンズはコイントスに勝った場合の85%で「レシーブ(先攻)」を選択している。彼はボールを欲しがり、それも早ければ早いに越したことはないという考え方だった。

 

2008年にコイントスのルールが変更され、「後半に選択する権利(後攻)」を選べるようになったが、それより以前にはコイントスに勝ったチームの99%が「レシーブ(先攻)」を選んでいた。

 

ルールが変更されてから10年が経過し、コーチたちは80%以上で「後半の選択権(後攻)」を選んでいる。

 

トニー・スパラノ、ジャック・デルリオ、ビル・ベリチック、ジョン・ハーボー、レックス・ライアン、チャン・ゲイリー、ディック・ジャローン、ジョン・グルーデンなどは、いち早くこの変化に対応したコーチだった。リーグ全体でまだ3回に1回くらいの割合でしか「後半~」を選んでいなかった2008~10年に、彼らは非常に高い割合で「後半~」を選んでいた。

 

マービン・ルイス、ジム・ハーボー、マイク・マッカーシー、ラビー・スミス、ケン・ウイゼンハント、 グレッグ・シアーノ、ジョー・フィルビン、ジェフ・フィッシャー、そしてマイク・トムリンたちの存在により、2011年~12年にはコイントスに勝って「後半~」を選ぶ率が50%近くにまで上昇した。

 

2013~14年には、ジョン・フォックス、マイク・マッコイ、ダグ・マローン、ピート・キャロル、ロン・リベラ、マーク・トレストマン、デニス・アレン、マイク・ペティン、マイク・ジマー、ロブ・チャゼンスキー、ジェイ・グルーデンといったコーチたちも普通に「後半~」を選択するようになり、その選択率は65%にまで上がっている。

 

この変化に抵抗しているコーチも数人残っている。ブルース・エリアンズ、ジェイソン・ギャレット、そして近年のマイク・トムリンも時代に逆行しているケースが目立っている。しかし、過去3年間では83%が「後半~」を選択しており、もしエリアンズの後任HCスティーブ・ウィルクスが「後半~」を選択するならば、その割合はもっと増えるだろう。ウィルクスはロン・リベラ(パンサーズのHC)の下で働いていたが、リベラは過去3年間、100%「後半~」を選択している。

 

なぜ「後半の選択権(後攻)」を選ぶのか? 数学的に「後半~」が有利という証明はなされていない。あるコーチたちは「前半最後の攻撃ドライブと、後半最初の攻撃ドライブで連続して得点できる可能性があり、それにより一気に試合を動かせる」という有利性を指摘している。また、そこには群集心理もあるかもしれない。優秀なコーチ、たとえばビル・ベリチックはほぼ「後半~」を選んでいるのだから、あえてそれに逆らう必要もないというわけだ。

 

 

NFLのトレンド(1)

NFLのトレンド(2)

NFLのトレンド(3) 

NFLのトレンド(4)

NFLのトレンド(5)

NFLのトレンド(6)