ESPNの記事を紹介する3回目。
2018年シーズンを迎えるにあたっての、NFLのトレンドについて書いてあります。
トレンド4
「WR4人の減少、22パーソネルの消滅」
現在のチームは、WRを4人並べる形を攻撃スナップの2~4%で使っている。2000年代の中頃は10%に近かった。チャン・ゲイリーはジェッツやビルズ時代に4人のWRを使い続けていたが、ほとんどのコーチはパスプロテクションの問題があると指摘している。
20パーソネル(RB2人、TEなし)は消滅したも同然だ。同様にヘビーな22パーソネル(RB2人、TE2人)も、HCジム・ハーボーがNFLを去ってから消えつつある。ハーボー時代の49ers、HCトニー・スパラノ時代のドルフィンズ、HCジョン・グルーデン時代のバッカニアーズ、これらが2006年以降でもっとも22パーソネルを使用していたチームだった。
トレンド5
「ジェット・モーション、ジェット・スィープ、ゴースト・モーション」
チーフス、ペイトリオッツ、ラムズといったチームは、WRをQBと攻撃ラインの間でモーションさせ、そこからハンドオフする「ジェット・スイープ」や、デコイに使う「ジェット・モーション」をどんどん使っている。時にWRはQBの背後を走る「ゴースト・モーション」もやっている。
これらの使用頻度は過去4シーズンでおよそ4倍に増えており、いくつかのチームはこの戦術を常用している。
「守備コーディネーターとして、この攻撃に対するにはやることすべてを確認しなければならない。なぜなら、1人がミスしたら(正しいコールでなかったり、ムーブメントが正しくなかったり)そこには大きな穴が開いている」
「これはワイルドキャット(QB以外の選手がスナップを受ける)とは違う。ジェット・モーション、ゴースト・モーション、それらをどうやって止めればいいのか? カバーを変更するか? 何かを動かすか? 普通のゲームプランのままで、この攻撃に対抗できるのだろうか?」
トレンド6
「ラン・パス・オプション(RPO)」
昨シーズンもっともラン・パス・オプション(RPO)を使用したチームはイーグルスだった。そして、チーフス、パッカーズ、パンサーズ、ジャガーズ、ベンガルズ、タイタンズ、ジェッツもこの攻撃を常用している。PFFによると、2016年は1試合平均で5プレイだったのが、昨シーズンは平均で8プレイにまで増えている。
このプレイは時に見極めるのが困難であるが、基本的な考えとして、QBはスナップを受けた後に守備を見て判断し、できるだけ速く「RBにハンドオフするか、パスを投げるか」を決める(スナップされた後にランかパスかを決める)。この判断は、たとえばLBがランとパスどちらを守ろうとしているかによって決まるが、時に守備選手がブロックされることなくフリーで入ってくることもあるため、QBの判断が僅かでも遅れると、ひどい罰を受けることになってしまう。
「私が思うに、RPOは最低でもあと1年は存在し続けるだろう」QBフィリップ・リバース(チャージャーズ)は語る。「なぜなら、これはゾーン・リード(QBがRBにハンドオフするか、自分で持って走るかを決める)ではない。私のように走れるランナーでなくても使いこなすことができる。RPOは残るだろう」
某GMは、先のスーパーボウルにおいて、イーグルスはいくつかRPOのバリエーションを使ってペイトリオッツの不意を突いたと語っている。このGMは、2018年には守備がRPOに対応して、それほど騙されなくなると考えている。しかし別のGMは、RPOの波は加速している一方だと語っている。たとえば、ベアーズの新HCマット・ネギーはチーフスの攻撃コーディネーターだった。RPOはベアーズにも波及するだろう。
「この戦術は新しいアイデアというわけではないが、少し違った形で実装されている」アーロン・クローマー(ラムズのOLコーチ)は語る。「2008年にセインツにいた頃は、もしランがスキームに合っておらず、レシーバーが1対1になっている時には、クイック・スラントでパスを投げていた。ある特定の形になったら、そこにパスを投げるという感じだ。イーグルスは見事にそれを次のレベルにまで昇華させている」
NFLのトレンド(3)