ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

NFLのトレンド(2)

ESPNの記事を紹介する2回目。

2018年シーズンを迎えるにあたってのNFLのトレンドについて書いてあります。

 

NFL - Top trends heading into the 2018 season - RPO, jet motion, smaller linebackers, shotgun, coin tosses and more

 

 

トレンド2

「11パーソネルの波」

 

「11パーソネル」はRBを1人、TEを1人、そしてWRを3人並べる隊形だ。11パーソネルはNFLにおける事実上の基本形になっており、2009年からは1stダウンなどのアーリーダウンにおいても「21パーソネル」(RB2人、TE1人)を抜いて、もっとも主要な形になっている。

 

10年ほど前、11パーソネルは攻撃スナップの3分の1以下でしか使われていなかった。 それが2013年には50%を超え、過去2年では58%以上に増加している。

2017年、11パーソネルはゴールラインの状況でも39%で使用された。この数字は2011年に使用された全11パーソネルよりも多い。10年前のコーチはこの変化にショックを受けるかもしれない。 

 

「守備のせいで、攻撃は1stダウンでよりオープンになり、よりスペースを生み出すように強いられてきた。守備はシングルハイのセーフティー、マンカバー、5人ラッシュなど、よりアグレッシブになり、攻撃はアウトサイドにパスを投げることを強いられている」と某ヘッドコーチは語る。

「もし攻撃が2バックの形で、守備がシングルハイで5人ラッシュしてくると、まずランは出せない。攻撃が11パーソネルを使い、守備がシングルハイだったら、攻撃はランを出すこともでき、スペースを生み出すこともできる。それでパスを投げれば、守備と1対1になる」

 

 

トレンド3

「ショットガン隊形」

 

2006年のNFLでは、ショットガン(QBがセンターから離れて位置する隊形)の使用率が20%以下だった。それが近年では約60%にまで増加している。アーリーダウンでも50%に近い使用率だ。

 

その理由について、コーチたちはいろんな考えを述べている。チームはほとんどの時間で11パーソネルを使っている。そして、大学ではブロックの基礎ができていない攻撃ラインマン、タイトエンド、ランニングバックが増えており、パスプロテクションに不安がある。そうなると、チームはQBを守るため(ショットガンで)後ろに配置して、よりスペースを開けようとしている、と言う人もいる。

また、ドラフト上位で指名されたQBは、大学でショットガンに慣れているという理由もある。上位指名のQBはすぐにプレイすることが求められており、そのために彼らがもっとも得意なことをやらせるというのは理にかなっている。QBがセンターの後ろにセットしないことで、ラン攻撃やプレイアクションの選択肢が減ったとしてもだ。

  

「大学フットボールは大きく変わった」ある守備コーチは語る。「この前のドラフトで指名されたTEの上位5人はでかいレシーバーだった。デラニー・ウォーカーみたいなタイプ、エバン・イングラムみたいな選手だ。彼らは体重235~240ポンドで、40ヤードを4.4秒で走る。QBや他の選手たちもそうだ。彼らはみんなショットガンでプレイしている。さらにOLBや守備ラインはてとも支配的で、2バックで守備を打ち破ることはできない。攻撃ラインと守備ラインの対決はフットボールにおいてもっとも不利になっており、守備ラインが上昇しているのに対して、攻撃ラインのプレイは低下していると誰もが言っている」

 

 

QBがセンターの後ろに位置する利点。正しく使えば効果的

 

昨年のラムズ、セインツ、ペイトリオッツは、攻撃の平均得点でトップ4に入っている。この3チームはセンターの後ろでスナップを受けた率でもリーグのトップ8に入っていた。2016年のファルコンズ、2017年後半の49ersも同じ成功を納めている。

 

HCショーン・マクベイが指揮するラムズは興味深いチームだ。彼らはアーリーダウンにおける11パーソネルの使用がトップだったと同時に、その状況における「QBがセンターの後ろに位置した率」もトップだった。この組み合わせは、縦のパス攻撃を犠牲にすることなく、ラン攻撃やプレイアクションの選択肢を与えてくれる。

  

ラムズのQBジャレッド・ゴフは昨年、アーリーダウンの11パーソネルでセンターの後ろに位置した時、1,205ヤード、8TD、0INT、1回平均10.4ヤードの成績だった。同条件の2位は、QBジェイミス・ウィンストンの428ヤード、QBトム・ブレイディとデレク・カーの3TDだった。

 

QBがセンターの後ろにセットする利点は、ランとパスを同じように見せて守備に守らせることができることだ。それにより守備はランを止める形からパスラッシュすることになり、その間に攻撃はより時間のかかるプレイを組み立てることができる。QBがセンターの後ろにセットすると一般的にはランの脅威が増すため、こうしたことがやりやすくなる。

 

「ラン攻撃のアクションを見せることで守備は迷う。レシーバーはダウンフィールドに達っするチャンスを得られ、守備は遅れて対応するはめになる」 マクベイは語る。

 「その結果、今度はボックスのラン守備がソフトになるかもしれない。このようにすべては繋がっている。我々にはXファクターとしてWRテイボン・オースティンのジェト・スイープもある。TEがプロテクションで苦戦しているサイドに、オースティンをモーションさせれば、TEの負担をやわらげることができる」

 

テイボン・オースティンのサラリーはラムズにとって負担になり、彼はカウボーイズにトレードされた。ジェット・モーションはカウボーイズでも(そして他のチームでも)増加するだろう。

 

 

 

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