ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

NFLのトレンド(1)

ESPNに面白い記事があったので紹介してみます。

2018年シーズンを迎えるにあたってのNFLのトレンドについて書いてあります。

長い記事なので6回くらいに分割して紹介する予定です。

 

NFL - Top trends heading into the 2018 season - RPO, jet motion, smaller linebackers, shotgun, coin tosses and more

 

  

トレンド1

「2バック攻撃の減少」

 

殿堂入りしたRBラダニアン・トムリンソン(チャージャーズ)が2006年にリーグ・トップの1,815ヤードを獲得した時、彼は1人で走っていたわけではなかった。

獲得ヤードの80%(1,455ヤード)では、体重255ポンドでブルドーザーのようにブロックするFBロレンゾ・ニールと2バック隊形(RB2人)で走っていた。その前年には、シーホークスのRBショーン・アレキサンダーも同じように、体重253ポンドのFBマック・ストロングに助けられてラッシング・タイトルを獲得している。

 

現在、開幕週のロスターを確認すると、18チームがフルバックを登録している。しかし、昨年のAFC西地区においては、2バック隊形からはランで計1,100ヤードしか獲得しておらず、これはこの地区のラン全体の16%でしかなかった。

リーグ全体で見ても、2006年には2バックが総プレイの40%あったのに対して、過去2年間は13%以下になっており、年々減少し続けている。

ESPNのデータによると、フルバックが1シーズンに先発した試合数は、2001年から2008年までは平均236試合だったが、2009年から2013年は平均178試合に減っている。そして、この数年は平均100試合以下にまで落ちている。

 

コーチが「レギュラー」と言う時、それは昔ながらの基本形である「21パーソネル」(RBが2人、TEが1人)のことを意味している。しかし、今やそれは1stダウンであっても10%以下でしか使われておらず(10年前は30%、5年前は20%だった)、もはやレギュラー(標準)ではなくなっている。

 

「21パーソネルでフルバックを使うと、相手守備にパスの脅威を与えられない」と某コーディネーターは語る。 「縦への脅威がなくなり、フルバックはバックフィールドに位置しているため、激しいブリッツを受けてしまう。そして、守備はどんどん速くなっており、遅くなることはない。そんな相手に、古くて想像性のない2バック隊形では対抗できない」

 

2バックの利点:正しく使えば効果的

 

昨年、リーグ全体で21パーソネル(RB2人、TE1人)におけるパスは、19TD、19インターセプトという結果だった。 

しかしながら、21パーソネルを好むコーディネーターもまだ残っており、 あるコーチは、21パーソネルの使用率は上昇するのではないかと予想している(過去10年間ずっと減少し続けていたが、2016年から2017年にかけては僅かに上昇している)。21パーソネルは相手守備を基本形にさせる効果もあり、これはパス守備から5人目の守備バック(DB)を排除させる。

 

2016年、ペイトリオッツは2バックのスナップ率(34.8)がトップだった。昨年は2位(35.4)で、どちらの年も(オフェンスは1試合に平均27~28点を決めて)スーパーボウルに出場している。

ファルコンズは2016年に2バックのスナップ率(30.8)が3位だったが、QBマット・ライアンはシーズンMVPを受賞し、オフェンスは平均31.6点を叩きだしている(この時のOCはカイル・シャナハンだった)

これらの2チームが使っている2バックは、これまで他のチームが使ってきた古典的な2バックとは違っていた。

 

ペイトリオッツは21パーソネル(RB2人、TE1人)から、エンプティー(バックフィールドに誰もいない形)でパス攻撃を展開する。No.2をシームに走らせ、No.1はヒッチを走らせ、インサイドの選手はオプション・ルートを走り、RBをアウトサイドへと動かすことにより、守備がマンカバーかゾーンかを判断するヒントを得る」と攻撃コーチは語る。

「すばらしいよ。カイル・シャナハン(49ersのHC)の相手を騙すミスディレクションもそうだ。Yモーション、レシーバーのモーション、そしてミスディレクションによって速い守備選手を迷わせ、動きを遅くさせている」

 

コーチとフロントの人間は同じ考え方で一致しているわけではない。この攻撃をやるには、優秀な攻撃デザイナーが2バックのコンセプトに熱心であるか、精密なブロックのできる鍛えられた選手がいるか、いずれかが必要かもしれない。ある人物は、この攻撃をやれるタイプの選手は現在の大学チームからは出てこないと言う。今の大学ではほとんどがスプレッド攻撃のシステムを採用しており、スペースでのミスマッチを生み出している。

 

 

まとめ? 

古典的な2バックは減少し続けているものの、一部のコーチたちは新しいコンセプトで効果的なオフェンスを展開している。その攻撃をやるには優れたコーチ、あるいはスキームに合う選手のいずれかが必要…という感じでしょうか。

 

 

NFLのトレンド(1) 

NFLのトレンド(2) 

NFLのトレンド(3) 

NFLのトレンド(4)

NFLのトレンド(5)

NFLのトレンド(6)