ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

ヘッドコーチの選び方

ブロンコスの新HCにバンス・ジョセフが就任しまして、いろいろと情報をチェックしていたら、面白い記事があったので、サクっと紹介してみたいと思います。

 

NFLで29年のコーチ歴があるマイク・ノーランが、ヘッドコーチの探し方について、3つの「やるべきこと」と、3つの「やってはいけないこと」を書いています。

(マイク・ノーランはブロンコスでもコーチ経験がありますね。2009年、ジョシュ・マクダニエルズ政権1年目のDCでしたが、1年でチームを去りました)

 

 

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ヘッドコーチはチーム組織において、もっとも重要でユニークなポジションだ。そして、誰もがその職に適しているわけではない。

従って、チームが毎年のように同じリストからヘッドコーチ候補を探しているように見えるのは驚きでもあり、残念なことだ。こうした候補探しのやり方は想像性に欠けており、この仕事のやり方を分かっていない人間が多いせいだと私は信じている。

往々にして、オーナーは誰の言葉に耳を貸せば良いのか分かっていない。なぜなら、オーナーの近くにいる人たちはフットボールの関係者ではなく、外部の人間だからだ。

NFLにおける29年間のアシスタントおよびコーチ経験(そしてヘッドコーチの息子でもある)から、私が信じる「成功するヘッドコーチの探し方」の重要ポイントを6個、簡単に紹介しよう。

   

 

やるべきこと

 

優れた(そして信頼できる)スタッフを集められる人物を見つけるべし

自分のまわりに経験豊かで有能かつエネルギッシュなコーチたち(特にコーディネーター)を配置できるかは、ヘッドコーチにとってもっとも大事な特性だ。また、ヘッドコーチは自負心を持ち、部下たちが仕事をできるようにしなければならない。

ヘッドコーチは経験によって自分の長所と短所を把握し、必要なコーチたちを雇って穴を補完する。経験の浅いヘッドコーチが成功するには、すでに完成された組織力のあるチームに入ることが最善だ。

例をあげると、マイク・トムリンはまだ経験の浅かった34歳の時にスティーラーズのヘッドコーチに就任して成功した。スティーラーズにはしっかりとした組織力があり、誰もが自分の仕事を理解していて、長年に渡って成功を続けていた。

若いモチベーターであるトムリンの周りには、ベテランのディック・ルボー、ブルース・エリアンズといったコーディネーターが揃っていた。クービアックが引退したブロンコスも同じような状況にあると言えるだろう。

 

 

人事権を持つ人間(GM)とうまくやれる人物を見つけるべし

シーホークスが良い例だ。GMのジョン・シュナイダーと、HCのピート・キャロルはお互いの仕事を助け合っている。

シーホークスがどんな選手を求めているかについて、彼らが同じ見解を持っているであろうことは、選手の起用を見れば明らかだ。これは一朝一夕にできることではない。結婚生活と同じように、たゆまぬ努力が必要だ。

 

 

リーダーを求めるなら、その意味を知るべし

人々はリーダーシップについて語りたがるが、その本当の意味を知る者は少ない。我々はただパットン将軍みたいに振る舞う人物を求めているわけではない。

口先だけの言葉よりも大事なのは、選手たちを勝利に導けると確信させるだけの信用があることだ。選手たちは何よりも勝利を望んでいる。そして彼らは、過去に勝った実績があり、その成功を再現できるコーチを求めている。

これは経験の浅いヘッドコーチには難しいことだ。選手たちに「自分とそれほど年齢の違わない人物になぜ従わないといけないのか」などと思われたくはないだろう。

また、ヘッドコーチは自分の言葉に忠実であり続けなければならない。誰でもタフになると約束することはできるが、本当に大事なのは最後まで約束を守れるかだ。優れたコーチはごまかしに容赦しないが、同時に超えてはいけないラインは守り、礼儀知らずな態度もとらない。それには良い親のようなスキルが役に立つ。

そして、ファンやメディアに対しても同じように対応できることが大事だ。なぜなら、彼らもまた同様のヘッドコーチ像を求めているからだ。

 

 

やってはいけないこと

 

魅力的で、ファンに受けそうだからというだけで、ホットな候補を選ぶべからず

毎年なんらかの理由でホットな候補が現れる。それは悪いことではない。しかし、ホットであるというだけで、ヘッドコーチをやれると結論付けるのは間違いだ。

さらに、多くのチームは1年だけ活躍したコーディネーターを雇いがちだ。ヘッドコーチに求められる責任は、コーディネーターのそれとは大きく違っている。

フロントとより重要な関係を持ち、組織のリーダーとなり、規律にかかわる判断や、契約・解雇の人事に関わる。簡単に言うと、それは兄貴から父親になるようなものだ。中にはその責任を扱えない人物もいる。

 


成功しているチームのコーディネーターだからといって夢中になるべからず

その人物を雇うことで、新しいチームでも同じ結果が得られると考えてはならない。コーチと一緒にトップチームの選手たちが付いてくるわけではない。ヘッドコーチの能力だけで前のチームと同じ成果をあげるのはとても難しい。

多くの場合、勝っているチームではやっていること全部が正しく、成功しているように見える。しかし、それは誤りだ。勝っているチームでも過ちはある。そうしたチームではしばしば、フィールド上の(選手とコーチたちによる)活躍によって、内部欠陥を克服しているのだ。

 


メディアや外部の存在に影響されるべからず

コーチ選びは人気投票ではない。より大事なのは、既存の枠にとらわれない人物、チームにもっとも合うコーチに焦点を当てることだ。

過去の例を見てみよう。2006年、パッカーズ49ersの攻撃コーディネーターだったマイク・マッカーシーを雇った。前年の49ersは4勝12敗の成績で、攻撃はリーグ最下位だった。マッカーシーにはヘッドコーチ職の経験もなかった。その後、彼はスーパーボウルに勝利し、11年間で9回プレイオフに進出している。

現チーフスのアンディー・リードはパッカーズのアシスタント・コーチだったが、1999年にイーグルスのトップ職を得るまで、誰からも見落とされていた。

カーディナルスのブルース・エリアンズも、高齢であることや、がんこな性格という風評によって、多くのGMから敬遠されていた。カーディナルスGMは、そうした騒音を無視するだけの自信と勇気を持っていた。

1996年、バッカニアーズはトニー・ダンジーを雇った。彼がいたバイキングスの守備は20位、失点は27位だった。それでも、バッカニアーズはスタッツの数字に惑わされず、正しいと信じる人物を見つけた。ダンジーは6年間でプレイオフに4回進出している。

 

 

私は、ホットな人物や経験の浅い人物、トップチームに所属する人物を雇うなと言っているわけではない。私が言いたいのは、まず自分自身の考えを持ち、この仕事をするのに何が必要かを知ってから、ヘッドコーチを探すべきということだ。

そうしなければ、ただ情報を集めているだけに終わり、また数年のうちに新しいコーチを探すことになるだろう。

優れたヘッドコーチとはどんなものか、アナタのチームが理解していることを願っている。

 

 

 

ブロンコスの新HCがバンス・ジョセフ(前ドルフィンズDC)に決定して、ファンの間でもいろいろな意見や疑問が出ていますね。

まだ若くて経験がない(44歳、初HC職)、前職であるドルフィンズ守備は成績があまり良くなかった(守備29位、失点18位)、ファンからするとカイル・シャナハンの方が魅力的な候補だった(マイク・シャナハンの息子)などなど。

バンス・ジョセフが成功するかどうかはまだ分からないですけど、ブロンコスがなぜ彼を選んだのかを考えながら、この記事を読むと面白いのかなーと思います。

まあ、マイク・ノーラン自身はヘッドコーチ(2005-08年、49ers)として成功してないってのはツッコミどころではあるんですけども(汗