ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

シーミアンは答えになれるのか?

今週のブロンコスバイ・ウィークでお休み。

ということで、先日読んだPFFの記事を簡単に要約してみました。

 

 

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QBトレバー・シーミアンが率いるオフェンスは、ターンオーバーすることなく、守備を助け、勝つのに必要なだだけの得点を決めて、スーパーボウルを狙えるのか?

これはシーズン開幕前から存在し、そして今もっとも答えが求められている疑問だ。

 

シーズン序盤のシーミアンは経験不足ながら及第点だった。それは簡単なことではなく、彼のタフさには感心させられた。しかし、最近の試合では苦戦が続いている。

ブロンコスのオフェンスは昨年も安定しなかったが、今年が同じだとは言えない。今年のオフェンスはほとんどのカテゴリーで昨シーズン以下である。たとえば、攻撃1プレイあたりの平均獲得ヤードは5.1でリーグ27位だ。

 

シーミアンのプレイ・スタイルには、ラン攻撃の助けが不可欠だ。しかし、先発RBのC.J.アンダーソンが怪我でIR入りするなど、ランが苦戦している。そのため、不本意ながらシーミアンのパスに頼らざるを得なくなっている。

 

シーミアンは、速いタイミングとリズムで投げる短中距離のパスを得意としている。特にアウトサイド(フィールドにあるヤード数字より外側)のパスだ。

ランが出ていたシーズン序盤は、相手のパス・カバーを限定させることができた。シングル・ハイ(後ろをDB1人がカバーしている)守備を相手に、外側のWRデマリアス・トーマスとWRエマニュエル・サンダースがCBと1対1になり、シーミアンはそれを読んで、アウトサイドに正確なパスを決めることができた。

 

シーミアンは、ゴー(エンドゾーンに向かって直線に走るルート)のパスを安定して決めていて、116.4の数字(リーグ平均より16ポイント高い)を出している。その能力はベンガルズ戦などの活躍でも証明されており、今後も必要とされる。

また、レイダース戦のTDパス(プレイアクションからロールアウトし、ヒットを受けながらエンドゾーンにパスを決めた)など、アスレチックなプレイを決めるも能力も時おり見せている。

 

最近のシーミアンは苦戦している。彼が直面するだろうと予想されていた問題点が、現実のものになっている。

彼はダウンごと、ドライブごとの一貫性を欠いている。相手守備はシーミアンの読みを混乱させることに成功している。

ラン攻撃の欠如により、シーミアンは2ハイ(後ろをDB2人がカバーしている)守備に対面することが多くなっている。そのせいで、シーミアンは2つの苦手なことをやるはめになっている。それは、ボールを長く持つこと、そしてフィールドの中央にパスを投げることだ。

 

シーミアンは、 プロテクションが保たれている時には、フィールドを見渡して、守備を読むことができる。しかし、ポケットでラッシュを感じ、ラッシュをかわして正確なパスを投げる能力に欠けているため、大学時代からボールを長く持つとミスを犯し、極度に数字が落ちていた。

 

また、シーミアンは、フィールド中央のカバーを読むことも苦手としている。

今シーズン、中央に投げた時のレイティングはリーグ平均よりも18ポイント低い。インターセプト7個のうち5個は中央。インターセプト未遂のパスも多い。

いずれのイン・ブレイキング・ルート(スラントやポストなどの内側に入るルート)の数字も平均以下で、リーグ平均よりも25.8ポイント低くなっている。

 

シーミアンの迷いは時に、パスの正確さに影響を与えている。QBの悪いプレイは大半が判断ミスによるもので、コントロールによるものではない。

最近のシーミアンはカバーされているところに投げることが多い。そのためHCクービアックもプレイコールに苦労している。

攻撃ライン(特にRT)は苦戦しており、シーミアンはリーグ平均より3%高いプレッシャーを受けている。しかし多くの場合、シーミアンのラッシュを感じ、ポケットでステップ・アップする能力にも問題がある。

 

では、1巡で指名した新人QBパクストン・リンチの起用はどうか。

 

リンチは、シーミアンの怪我により実戦投入されることになり、途中出場した第4週のバッカニアーズ戦ではまあまあだった。

しかし、先発した次のファルコンズ戦では苦戦した。激しいプレッシャーを受け、苦しい展開からインターセプトを投げ、ポケットでボールをファンブルした。

開幕から10週を経過して、リンチもオフェンスに慣れてきているはずだ。ブロンコスの強力守備を相手に練習しているのもプラスになる。

リンチには強肩と機動力があり、おそらくシーミアンよりもわずかに上手く、見て感じることが可能だろう。

 

リンチはシーミアンと同じようなミスを犯し苦戦するはずだ。しかし、リンチにはフィールド中央に投げる能力があり、もっとプレイを決めることができる。そして、機動力でラッシュをかわし、足で活躍することもできる。

 

ブロンコスにはスーパーボウル級の守備があるだけに、オフェンスの改善は緊急を要する。シーミアンにとって今後の数試合は将来を左右することになる。

もしシーミアンがこれからのタフなスケジュールで苦戦すれば、リンチ投入が(最善ではないにしても)必要になるかもしれない。

 

ここでバイ・ウィークの休みを迎えたのは良いタイミングだ。HCクービアックはオフェンスを見直し、シーミアンを助けるプランを用意することができる。

 

休み明けのシーミアンに求められる課題はシンプルだ。もっと「読み」に一貫性と統制が必要で、ターンオーバーが致命的になることを理解しなければならない。

もし(慎重になりすぎないで)ターンオーバーを減らすことができ、レッドゾーンでもっとTDを決めて(ゴール前10ヤード以内のパス成績は11/27回で5TD)、いくつかのカギとなる3rdダウン残り7ヤード以上のパスを更新し、第4Qの大事な場面でプレイを決めることができれば、シーミアンはブロンコスで勝利し、プレイオフを戦うことができるだろう。

 

シーミアンはシーズン後半のキャプテンに選出された。それはチームが彼を信頼している証だ。もしシーミアンで残りのシーズンを戦うのであれば、チームは彼のまわりに人材を集め、彼のプレイを助けなければならない。

最近の試合テープでは、レシーバーがパスを投げられないことに不満を表している姿も確認されるが、そうした行為はシーミアンの助けにはならない。 

 

HCクービアックはタフな選択を恐れないコーチだ。彼は優れたプレイコーラーであり、シーミアンを助けるために全力を尽くすだろう。あとは、シーミアンがどれだけ答えられるかであり、もし上手くいかなければ、リンチの投入がベストの選択肢になるかもしれない。

  

 

シーミアンの成績

   CmpAtt%YdsTDINTRate
1 W CAR 18 26 69.2 178 1 2 69.1
2 W IND 22 33 66.7 266 0 1 78.6
3 W @ CIN 23 35 65.7 312 4 0 132.1
4 W @ TB 5 7 71.4 68 1 0 141.7
6 L @ SD 30 50 60.0 230 1 0 77.9
7 W HOU 14 25 56.0 157 1 0 88.3
8 W SD 20 38 52.6 276 0 1 65.2
9 L @ OAK 18 37 48.6 283 2 1 81.3
10 W @ NO 25 40 62.5 258 2 2 76.9
      175 291 60.1 2028 12 7 85.0