ブロ研 [ブロンコス研究所]

NFL DENVER BRONCOS について独自研究を行うブログ

ブロンコス守備の真実

デンバーポストに面白い記事があったので、紹介してみたいと思います。

DCウエイド・フィリップスとブロンコスの守備について書かれています。

 

*某QBのボール・セキュリティーみたいにテキトーな翻訳ですので、気になる方は元記事を確認してください。

  

 

元記事

www.denverpost.com

 

 

 

体重313ポンドのNT シルベスター・ウィリアムズは、ブロンコスの守備ラインでもっとも重い選手だ。彼の仕事は相手の道を塞ぐことだが、そのプレイでは、下がってパスカバーをする。

「普通じゃないよね、でも俺は気に入ってるよ」と、ウィリアムズは言う。

彼の役割はRBをカバーすること。ノーズ・タックルにCBの仕事をさせる守備なんて他にはない。ブロンコスの守備は他とは違っている。

「俺たちは違う、とても違うんだ」

 

ブロンコスの守備はリーグ史に残る活躍をしたが、その守備を理解している人は多くない。ブロンコスの守備はNFLの本流から外れていて、ファンや記者たちをも混乱させている。DCウエイド・フィリップスが率いる保守的で基本に忠実な守備は、そのシンプルさで、リーグのトレンドである複雑な守備スキームに挑戦している。

NFLでベストの守備は丸見えだ。そして誰もそれを解明できない。

 「我々が何をするか、すべてお見通しだと言われるよ」と、フィリップスは語る。「でも、我々を止めることができるかな?」

 

 

JUST GO PLAY

オセロゲームのキャッチフレーズを借りるなら、ブロンコスの守備は「覚えるのに1分、極めるのに一生」だ。ウエイドの父親、バム・フィリップスは1950年代にイースト・テキサスの小さな町の高校でコーチをしていた。彼は子供たちに守備の役割を理解させるため、守備ラインに数字を付けて教える方法を発明した。そして彼は、3-4守備(DL3人、LB4人)を取り入れた。彼のアイデアは上へと浸透していった。

ポール ”ベアー” ブライアントは1950年代後半、テキサスA&M大学で(アシスタントをしていた)バム・フィリップスのアイデアを借用した。当時のNFLはというと、パスを無視して5人フロントでランを止める守備が主流だったが、すぐに後を追った。そして3-4守備は定着していった。

ウエイド・フィリップスは3-4守備をさらに深く追求した。彼は3-4守備には高い適応力、順応力があることに気がついた。その守備は、個々の選手たちにもっとも得意なことをやらせることができる。もしLBがパスカバーを得意とするなら、それをやらせる。もしCBがパスラッシュできるなら、彼を突っ込ませる。そして、もし体重313ポンドのNTにRBを追いかけるだけのクイックネスがあるなら、それをやらせればいい。

「選手たちに得意なことをやらせる。それが我々のフィロソフィーだ」と、フィリップスは語る。「私はいろんな守備を思いつくことができる。しかし、結局のところ、選手たちに何ができるかなのだ。高校でコーチをしていた頃には、まったくプレイできない学生たちもいて、彼らの長所を活かしてどうにかするしかなかった。父親から学んだ方法なのかもしれないが、コーチを始めてみると、このやり方は理に適っていると感じたんだ」

しかし、ブロンコスの選手たちは(高校の選手たちと違って)なんでも上手くプレイできる。それゆえ、シンプルな構造の3-4守備は、予測不能な守備になれる。ポジションと役割は、ロスター表にあるただの名称でしかない。理論上では、Xs and Osは(プレイブックにおける選手の)スタート位置だ。しかし練習では、選手たちはそこらじゅうでプレイする。

「シンプルな守備。それがウエイドのゴールなのさ。この守備は俺たちにただプレイさせてくれる」と、CBブラッドリー・ロビーは言う。「優れた守備に共通するのはシンプルなことだ。誰もが自分の役割を理解している。誰もがアジャストメントを理解し、誰もが一緒になってプレイする。このシンプルな守備は、俺たちアスリートに思い切りプレイさせてくれる」

 

 

PLAYING TAG TEAM

タッグチームでプレイする。この成形性によって、昨シーズンのブロンコス守備は相手のオフェンスを挫折させてきた。昨年の12月、ブロンコスはオーバータイムでベンガルズに勝利した。その試合で守備は、相手のパス攻撃を200ヤードに抑えたが、ベンガルズのレシーバーたちはそうなった理由を受け入れられなかった。ブロンコスはゾーン守備を使った。いや、あれはマン・ツー・マンだった。違う、後半から守備を変えたのだ。誰も正確に理解できていないようだった。

真実は Between the Lines(ラインの間)にある。インディアナ高校バスケットボールの伝説的なコーチ、ビル・グリーンは1960年代から70年代に「ハイブリット守備」を発明した。その守備はゾーンで始まり、マン・ツー・マンへと変形する。全体を1対1で守るのではなく、選手たちは自分のエリアをフェイス・ツー・フェイスで守り、もし相手がエリアの境界を越えたら撤退する。

ウエイド・フィリップスはそのアイデアを気に入った。仮にCBクリス・ハリスが右側でWR A.J. グリーンをカバーしているとする。CBハリスはずっと張り付いてカバーするが、WRグリーンが遠くまで走って境界を超えると、CBアキブ・タリブがその役割を受け継ぐ。

「我々がやっているのはマッチアップ・ゾーンだ」と、フィリップスは明かす。「それは相手が境界を越えて、他の誰かに受け渡すまでは、マン・カバーに見える。我々はかなり昔にバスケットボールからこれを学んだ。バスケでは最初 2-1-2 ゾーン守備をプレイしていて、もしボールが片方のサイドに行っても、選手たちはその場にとどまっている。しかし、その後そこから詰めて受け渡し始める。アメフトのレシーバーもバスケと同じ5人、同じコンセプトだ。これは使えるぞと思ったんだ」

ブロンコスの守備はタッグ・チームだ。1対1が2対1へと変化する。こうして昨シーズンの守備は喪失ヤードで1位、失点で4位の成績を残した。

「シンプルだけど、簡単ではない」CBロビーは言う。「かなりのプレッシャーがあるけど、それが俺たちを向上させてくれる。大学にいた時は、マン・カバーのコールを受けると緊張していた。だけど今は違う。俺たちはマン・カバーに慣れている。

 「結局のところ、NFLはマン・ツー・マンのリーグだ。守備において、俺たちは多くの場合、それらのバトルに勝利している。もし、それがレフトタックル対ボン・ミラーなら2秒で決着がつく。相手は俺たちのミスを突くしかないのさ」

 

ブロンコスの守備は、ベテランの元選手までをも混乱させている。プレシーズン1週目のベアーズ戦は、元セーフティーのジョン・リンチが解説をしていた。彼は、ブロンコスが激しくブリッツを仕掛けているとコメントし、一部で「ブロンコスの守備はプレシーズンにブリッツをやりすぎではないか」という議論を生んだ。

それに対して、ウエイド・フィリップスはTwitterで「ブロンコスはブリッツをしていない(ベアーズ戦ではサック7回のうち5回は4人ラッシュだった)」と反論した。ブロンコスの守備は、4人がラッシュし、時に5人がラッシュしていたが、ブリッツはやっていなかった。ラッシュはブリッツではない。守備がブリッツをする時、スクリメージ・ラインでアドバンテージを得るために、セカンダリーの人数を減らして犠牲にする。それはギャンブルなのだ。

「ブリッツの正しい意味は、6人がラッシュし、5人がカバーすることだ」と、フィリップスは語る。「LBやSがサックを決めると、だいたい彼らはブリッツだと言う。別にそれは構わない。しかし、Dog(ラッシュ)は5人だ」

フィリップス率いるブロンコス守備は滅多にブリッツをしない。する必要がないからだ。4人でラッシュする場合、NTウィリアムズとDEデレク・ウルフ、そして2人のLB(たとえばボン・ミラーとブランドン・マーシャル)をラッシュさせることができる。もしくはLB2人とCB2人、あるいはDLとLBとCBとSの4人という風に、その組み合わせはいくらでもある。これらはすべてラッシュだ。こうして、ブロンコスの守備はブリッツでギャンブルすることなく(カバーの人数を減らすことなく)相手QBをサックすることができる。

 

「シンプルな話だ、ボールを捕らえろ」と、ウィリアムズは言う。「それがウエイドのルール1番目だ。ボールを捕らえれば、プレイを決め、自分の仕事ができる」

守備は必然的にリアクティブ(反応的)なものだ。攻撃側が最初にボールを持ち、プレイを決めて先に動く。しかし、ブロンコスの守備は、相手が先に動くのを待ちたくない。ブロンコスはしばしば先に動くのだ。

「俺たちはプレイメイキング・ディフェンスだ」と、ウィリアムズは言う。「俺たちの守備は前に上がって侵入する。ブロックを受け止めない。俺たちは2ギャップじゃない。プレイを決めるんだ。俺はこの守備を気に入ってるよ」

 

 

SIMPLY CRAZY

フィリップスは長い間、彼のフィロソフィーに合う守備を待ち望んでいた。彼は1989年から92年までブロンコスの守備コーディネーターで、93年から94年まではヘッドコーチだった。その間、1990年にブロンコススーパーボウルへと進出したが、49ersに大敗した。フィリップスの守備は良かったが、グレイトではなかった。

今のブロンコス守備はグレイトだ。この守備は人材に恵まれている。リーグ有数の守備選手LBボン・ミラーを始め、CBアキブ・タリブ、CBクリス・ハリス、CBブラッドリー・ロビーといったベストのCB陣が揃っている。守備ラインはパスカバーもでき、LBブランドン・マーシャルはスプリンターのようにフィールドをカバーする。

ブロンコスの守備プレイブックは、他のチームと違って、とても薄い。そのスキームは簡単だ。選手たちがプレイする。ボールを追いかける。プレイを決める。フィリップスは数十年かけて、このやり方にたどり着いた。彼のアイデアは、守備をフィールド上の選手たちに任せるというものだった。

「守備コールの種類は少ない。ウエイドは”プレイを決めろ!”と言う。それが彼のやり方なんだ。守備をコールし、俺たちにプレイさせてくれる。これはプレイヤーズ・ディフェンスなんだ」と、ウィリアムズは言う。「コーチ・ウエイドは天才さ。俺たちは彼を信頼している。なぜなら、彼が俺たちを信頼してくれているからさ」

 

 

 

 

マッチアップ・ゾーン守備について検索してみたところ、バスケットボールではよく知られた戦術で、NBAでも広く用いられているみたいですね。

いろいろ読んでみますと、マン・ツー・マンのように相手にマッチアップするゾーン守備、積極的にボールを奪いに行くゾーン守備、という感じなのかなーと思います。

うーん、難しいw